1989 Fiscal Year Annual Research Report
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63540553
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
田坂 昌生 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助手 (90179680)
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Keywords | 細胞性粘菌 / 細胞分化 / 遺伝子発現の調節 / 細胞内信号伝達 / DNA結合因子 |
Research Abstract |
細胞性粘菌(Dictyostelium discoideum)は多細胞体形成後、二種類の細胞(予定柄細胞と予定胞子細胞)に分化する。本年度は予定胞子細胞の分化過程において特異的に転写される遺伝子Sp96とDp87の転写調節機構について調べた。その結果次のような成果を得た。 1)胞子外被タンパク質の一つに対応するSp96遺伝子とDp87遺伝子の転写に関与するDNA上の領域を形質導入法で調べた。その結果、Sp96では遺伝子の5'上流→686から→494までの192塩基の中にまたDp87では5'上流→447から→356までの91塩基の中に予定胞子細胞の分化にともなってそれぞれの遺伝子が特異的に転写を開始するのに必要なシス領域の一つが存在することが明らかになった。Dp87のシス領域をもちいてこの転写のみられる細胞の核内にのみタンパク質性の結合因子が見つかった。結合領域をDNaseフットプリント法やエキソヌクラ-ゼ法で同定し、その領域のDNAを合成してゲルシフトをおこなうことでこの領域に結合する因子の存在を確認した。次にDp87のシス領域をもちいてサウスウェスタンを行ったところ3種類の核タンパク質が同定された。現在、これらの核内因子の遺伝子をクロ-ニングしている。さらにこのDp87のシス領域とよく似た塩基配列をもつ領域がSp96のシス領域にもみられることより両者の関係を調べている。 2)これら二種類の遺伝子は多細胞体を分散すると直ちに転写を停止し存在していたmRNAは壊れる。しかし分散細胞に外からcAMPを与えるとcAMPは細胞表面のレセプタ-に結合した後に細胞内の信号伝達系を介して直接に遺伝子の転写を誘導することが明らかになった。さらに、合成されたmRNAは新たに合成されたタンパク質により存在が安定化することがわかった。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Takeuchi I.: "Formation of differentiation pattern in Dictyostelium discoideum" Genom. 31. 620-624 (1989)
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[Publications] Toda K.: "Structure and expression of elongation factor 2 gene during development of Dictryostelium discoideum" J.Biol.Chem.264. 15489-15493 (1989)
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[Publications] 竹内郁夫: "粘菌細胞による分化パタ-ン形成" 細胞社会とその形成. 87-99 (1989)
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[Publications] Tasaka M.: "Isolation and characterization spore coat protein(Sp96)gene of Dictyostelium discoideum" Cell Differentiation and Development.
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[Publications] Takemoto K.: "cAMP regulation of the expression of prespore specific genes,Sp96 and Dp87 in disaggregated slug cells of Dictyostelium discoideum" Cell Differentiation and Development.