1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63540560
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
平林 民雄 筑波大学, 生物科学系, 教授 (30015557)
|
Keywords | ニワトリ速筋 / トロポニンT / トロポニンI / トロポニンC / 特異抗体2次元電気泳動 / 画像解析 |
Research Abstract |
ニワトリ速筋型トロポニンTに特異的な抗体を用いて、イムノブロット法でisoformの発現を調べた結果、発生に伴い非常に多くのトロポニンT isoformが遷移することが分かった。今回、それらを分子量、等電点、発現される発生段階及びこれまでの報告にある分類にもとずいて新生児肢筋型(L)、新生児胸筋型(B1)、ヒヨコ胸筋型(B2)及び成鶏胸筋型(B3)の4つの型に便宜的に分類した。 発生に伴いL、B1、B2、B3の順でisoformは発現したが、発現の時期は互いに重なり合っており、後期胚ではL型のみ見られるが、途中の発生段階ではL+B1、L+B1+B2、L+B1+B2+B3、B2+B3を発現する時期を経て、最終的にL3型のみ発現することが分かった。B1、B2型がある発生段階に特異的に発現されるのに対し、B3型は発生に伴い徐々に増加し、成鶏においてはB3型のみ見られた。 各サブユニットの蓄積過程を比較するために、まずそれらの色素結合比を求めた。低濃度尿素(4M)存在下で等電点電気泳動を行なって、トロポニンを複合体として泳動し、続いてSDS-PAGEにより分子量にしたがって3つのサブユニットに分け、それぞれのスポットを画像解析システムで定量した。各サブユニットの定量値の比率は結合している色素比を反映すると考えられ、そのようにして求めた色素結合比はトロポニンC:トロポニンI:トロポニンT=1:2.5:5.0であった。 各発生段階における各サブユニットのスポットを画像解析システムで定量し、その値を上で求めた色素結合比で割り算し、トロポニンCを1とした時にトロポニンIのとる値を調べた結果、それがふ孵化後の発生を通してほぼ一定の値を取ることが分かった。トロポニンTについてはそれぞれの型(L、B1、B2、B3)のみではトロポニンCの蓄積とは同調せず、各発生段階で発現される全ての型のisoformの総蓄積量を考慮したときのみ同調性が見られた。
|
Research Products
(1 results)