1990 Fiscal Year Annual Research Report
サケ,Oncorhynchus keta の降河行動解析および淡水飼育実験
Project/Area Number |
63540581
|
Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
森谷 常生 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (80002244)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮下 洋子 札幌医科大学, 医学部, 講師 (60045549)
|
Keywords | サケ(O.keta) / 降河行動 / 向流性 / 性腺成熟 |
Research Abstract |
1.孵化後2カ月頃、水流に対する反応性が逆転(流れに順向して遊泳しはじめる)することを、これまでの観察で明らかにしてきた。この現象の誘発には浮上期(産卵床から水中に泳ぎ出る)以後、サケ稚魚が流水中に放される前に一定期間止水中にとめおかれることが条件であった。現在、(1) 水流に順向した遊泳行動の発現に必要な止水飼育期間、(2) 止水飼育日数と水流に順向した遊泳行動の継続日数との関系、(3) 水流の速度変化にともなう反応性の違いを観察中である。 2.水温低下および水の濁り(雪解け水による降河行動開始の可能性を考えている)は水流に対する反応性を変化させる(正の向流性が負の向流性、すなわち流れに順向する)要因に成りうるかどうかを検討している。3.水流に対する反応性の変化がどのような機構で生じているのかを明らかにするため、脳および皮膚組識におけるアミン類の定量定性分析を進めている。 4.サケ稚魚の淡水長期飼育を続けた。一年目の秋(9月から10月頃)飼育群に多量の死が生じたが数十個体は生き残った。その後これらの個体は淡水中においても摂食行動を続け、成長を持続した。ほぼ2年(1年9ケ月間〜2年2ケ月間)ほどで体長約30cmほどに成長した。精巣、卵巣とも発達してきた。2年目の秋(10月〜11月頃)餌の摂取がとまり、衰弱し死亡する個体が続出した。最長飼育期間は2年3ケ月の雌の個体(体長33cm、卵巣発育中)であった。淡水中での成熟の完了、繁殖行動が可能であるのかは結論は出せない。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] Tsuneo MORIYA,Yoko MIYASHITA and Eiishige KOMIYAMA: "Catadromous migration of salmon smolt observed in an aquarium with a current." Zoological Science. 5(6). 1329-1329 (1988)
-
[Publications] Yoko MIYASHITA and Tsuneo MORIYA: "Calcium ions on melanophore movements in teleost fish." Zoological Science. 6(6). 1101-1101 (1989)
-
[Publications] Tsuneo MORIYA and Yoko MIYASHITA: "Melanophore dispersion in northern amphibian larva induced by exposure to cold." Journal of Experimental Zoology. 250. 349-353 (1989)
-
[Publications] T.MORIYA,Y.MIYASHITA,K.ASAMI,J.ARAI,S.KUSUNOKI,T.ITOH and M.ABE: "Photosensitive melanophores observed in the isolated tail fin of amphibian larvae." Comparative Physiology and Biochemistry. 7(4). 189-189 (1990)
-
[Publications] Yoko MIYASHITA and Tsuneo MORIYA,: "Calcium ion in chromatic nerve transmission and melanophore movements in teleosts." Journal of Experimental Zoology. 256. 121-129 (1990)