1988 Fiscal Year Annual Research Report
両生類視床下部ー下垂体ー甲状腺系に関する総合的研究
Project/Area Number |
63540594
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
林 宏昭 群馬大学, 内分泌研究所, 助教授 (50008611)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
花岡 陽一 群馬大学, 内分泌研究所, 助手 (80008606)
田中 滋康 群馬大学, 内分泌研究所, 助手 (90146233)
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Keywords | 甲状腺刺激ホルモン / ウシガエル / TSHβ / RIA |
Research Abstract |
両生類における視床下部ー下垂体ー甲状腺における調節系を解明するために、まずウシガエルの甲状腺刺激ホルモン(TSH)の単離・抗体作製ついでラジオイムノアツセイ(RIA)系の確立をめざした。 1.ウシガエルTSHの単離ーー下重体アセトン粉末抽出物からエタノール沈澱法、疎水クロマト、イオン高官クロマト、さらにウシガエルの固定化LH、FSHβ鎖に対するモノクロナール抗体カラムを用いた免疫アフィニティークロマトにより、高度に精製されたTSH標品を得た。その検定はウシガエル幼生の甲状腺を用いたin vitroでの甲状腺ホルモンの放出量をRIAで測定して行なった。最終標品のこの系での活性はウシTSHの二倍であった。 2.ウシガエルTSHβ鎖に対する抗体の作製ーー純化したTSHより酸解離、逆相HPLCによりβ鎖を単離した。これを用いてウサギに対して免疫し抗体を作製した。 3.RIAの確立ーー得られた抗体を用いて二抗体法によるRIA系を確立した。ウシガエル血清、下垂体抽出物の希釈試料は標準曲線に対して平行し、また性腺刺激ホルモン(LH、FSH)およびそれらのサブユニットとは交差しなかった。0.1〜50nmol/mlのTSHβが測定可能である。この系を用いてウシガエル幼生の血中TSHβの変動を測定した結果、変態始動期に低く、変態最盛期のはじめに顕著に上昇。その後減少した。これは血中甲状腺ホルモンの変動とほゞ一致するものである。 4.TSHβ鎖の一次構造ーー約100残基分のアミノ酸配列を決定し、データベースを基に概知タンパク質との相同性検索を行なったところ、これに類似するタンパク質は知られておらず新規のタンパクであった。 5.今後の課題ーーTSHの全構造の解明、TSH放出ホルモンの検索、同定を行なうことは急務である。
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[Publications] 林倶子: 生化学. 60. 681 (1988)
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[Publications] S.Kikuyama: Vth International congress on Prolactin ABSTRACTS. 100 (1988)
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[Publications] S.Iwamuro: Zoological Science. 5. 1296 (1988)
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[Publications] K.Niinuma: Zoological Scieme. 5. 1298 (1988)
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[Publications] M.Sakai: Zoological Science. 5. 1312 (1988)
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[Publications] S.Tanaka: Gen.Comp.Endocrinol.,.