1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63540600
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
山内 兄人 早稲田大学, 人間化学部, 助教授 (10053357)
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Keywords | 性行動 / ロードーシス / 縫線核 / 延髄 / エストロゲン / テストステロン / ラット / 脳破壊 |
Research Abstract |
雌、雄ラットの性行動の制御に下位脳幹がどのように関係しているか縫線核を中心に調べた。 1.雌ラット性行動における延髄縫線核(Raphe obsculus nucleus)の役割 雌ラットを去勢すると同時に、延髄縫線核の高周波破壊を行ない、エストロゲンを含んだサイラスティクチューブ(内径1.57、外径3.18mm、3cm)を挿入後2日目より5日間性行動の観察を行った。その結果、この延髄縫線核を破壊した9匹の平均ロードーシス商は対照群(10匹)や偽手術群(6匹)より高い値を示した。また勧誘行動も早く見られ、この縫線核が雌ラット性行動に抑制的役割をもつことが明らかになった(日本動物学会第59回大会発表)。現在64年度の計画に記した、この縫線核とセロトニンニューロンの関係を調べている。 2.雄ラット性行動における延髄縫線核(Raphe obsculus nucleus)の役割 雄ラットを去勢すると同時に、延髄縫線核の高周波破壊を行ない、テストステロンを含んだ5cmのサイラスティクチューブ2本を挿入後、1週間毎に3回の性行動観察を行った。まだ例数は少なく発表に至っていないが、雌の場合とは逆に、この縫線核を破壊すると性行動が極端に低下してしまう現象がみられた。おそらくRaphe obsculus nucleusは雄の性行動に対し促進的な役割をもつものと推測できるが、その点は現在追求しているところである。 3.63年度の計画に記しておいた雄ラットの性行動における橋の脳室周囲灰白質の破壊効果に関しては、例数は少ないが、当初考えていた結果は得られず、橋の脳質周囲灰白質内側部は雄性行動の制御機構において重要な働きをもつことはないと考えられる。
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Research Products
(2 results)