1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63540607
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
黒川 勝已 新潟大学, 教育学部, 教授 (50089835)
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Keywords | 水底堆積テフラ / Ash How turbidite / 上越火山灰 / SK020火山灰 / Sug-a火山灰 / 層相モデル / 大隅石 / 紅柱石 |
Research Abstract |
当年度は研究期間の最終年度として、前年度の成果をふまえて水底堆積テフラの層相モデルを確立し、その形成機構を系統的に考察した。 水底におけるテフラの運搬・堆積様式は(1)水底降下、(2)ash cloud、(3)水底流走、および(4)それらのエピクラスティック堆積物に大区分される。このうち初生的な運搬・堆積様式を保持している(1)〜(3)について14の層相モデルを確立した。層相モデルの確立にあたっては、テフラの粒度集団組成によっても層相を異にするのでまず3つの粒度集団グル-プに区分した。すなわち、シルト〜細粒砂サイズのテフラ(PopulationA)、細粒砂〜細れきサイズのテフラ(PopulationB)、小れき大以上きパミスをかなりの程度に含むテフラ(PopulationC)である。AについてはA1〜A5、BについてはB1〜B4、CについはC1〜C4の計14のタイプの水底堆積テフラの層相モデルを確立した。これらのそれぞれについてその形成機構を新潟地域の具体例にもとずいて考察したが、特筆すべき成果は従来、見過ごされていた細粒(PopulationA)〜中粒(PolpulationB)テフラのうちにも流走テフラが存在することを野外および室内におけるその堆積特性の検討によって明らかにしたことである。これらは二次的なエピクラステイックなテフラではなく、陸上噴火および水底噴火によって生じたash flowないしash clondから分化したタ-ビダイトテフラであり、それぞれの噴火の場合についてその形成機構の基本的モデルを確立したこのようなテフラヌ-ビダイトをash flow turbiditeとよぶことにした。なお、新潟地域のテフラの詳細な検討をすすめる中で、大隅石と紅柱石を含むてふら見出した。テフラから大隅石と紅柱石の発見は世界で最初であると考えられる。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 黒川勝己,藤原啓美,川崎浩子: "新潟県出雲崎町久田における上越火山灰の発見とその意義" 新潟大学教育学部紀要(自然科学編). 30-(1). 19-26 (1988)
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[Publications] 黒川勝己,丸山悦子,沢栗隆之: "新潟県中央油帯北部における椎谷層・西山層中の水底堆積テフラ" 新潟大学教育学部紀要(自然科学編). 30-(2). 39-64 (1989)
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[Publications] 黒川勝己,庭山かおる,寺井直子: "テフラ鍵層からみた新潟県西山油帯南部の鮮新世堆積作用" 新潟大学教育学部紀要(自然科学編). 31-(1). 15-42 (1989)
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[Publications] 黒川勝己,沢栗隆之: "長岡市西方、中央油帯中央部における水底堆積テフラとその対比" 新潟大学教育学部紀要(自然科学編). 31(2). 52-86 (1990)
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[Publications] 黒川勝己: "水底に堆積した珪長質テフラの層相モデルとその形成機構-新潟地域の例-" 地球科学.
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[Publications] Kurokawa.K.,Fujiwara,Y.and Konishi,H.: "Finding of osumilite and naymatic andalnsite from the Pliocene Sug-a Ash in Niigata Prefecture,central Japan"