1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63540609
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
飯泉 滋 島根大学, 理学部, 教授 (80032639)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 佳昭 島根大学, 理学部, 助教授 (50144689)
三宅 康幸 島根大学, 理学部, 助教授 (70200144)
沢田 順弘 島根大学, 理学部, 助教授 (80196328)
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Keywords | 花崗岩 / ネオジウム・ストロンチウム同位体 / 飛騨帯 / 船津花崗岩 / 西南日本内帯 / 白亜紀〜第三紀珪長質火成活動 / 地殻 / マントル |
Research Abstract |
1.飛騨帯の花崗岩類の分布や性格についての検討を進めていたところ、飛騨変成岩類および船津花崗岩類の西方延長と考えられる岩石が山陰地方(鳥取県西部地域)にも点在して分布していることが明らかになってきた。従来これらの岩石は三郡変成岩類や白亜紀の花崗岩類であろうと見なされ、詳しい検討がなされてこなかった。今回、Pb-Sr法により変成岩類・花崗岩類の年代を求めたところ、それぞれ186Ma、200Maを示した。これらの年代とSr同位体比初生値・岩石学的特徴などから判断して、これらの岩石は飛騨帯のものに対比される。従って飛騨変成帯の南限は従来考えられていたものよりかなり南側に位置することになり、これは日本列島の成立過積や中生代以降の大規模な珪長質火成活動の成因を明らかにする上で意義ある知見であった。 2.西南日本内帯の白亜紀〜第3紀火成岩類についての地質学・岩石学的研究と合わせて、SrおよびNd同位体組成の測定を進めてきた。その結果、白亜紀の花崗岩類を中心としたカルクアルカリ岩類はSr・Nd同位体比共に広い組成範囲を示し、それらがマントルから上部地殻までを含めたさまざまな起源物質から導かれたことが示唆される。また、古第三紀新第三紀初期のものは組成範囲が時代とともに縮小し、日本海の拡大期である15〜16Maにはそれらの組成がほぼ一点に収束することが明らかとなった。この結果は西南日本の地殻が時代を追って次第に薄化してきたことに起因するものと考えられ、日本海の拡大に関連した地下における変動はすでに古第三紀から始まったことを示している。 3.外帯の新第三紀花崗岩類についてのSr同位体の研究を行ない、それらが、塩基性のものから酸性のものへ初生値が次第に高くなることが明らかにされた。これはマグマと地殻物質との間の混合の程度の違いによるものと推定される。
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[Publications] 田結庄良昭: 地球科学. 43. 16-27 (1989)
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[Publications] 石賀裕明: 地質学雑誌. 95. 129-132 (1989)
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[Publications] Shigeru Iizumi.: Jour.Geol.Soc.Japan.
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[Publications] Tetsuichi Takagi.: Jour.Geol.Soc.Japan.
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[Publications] Shigeru Iizumi.: Geochemical Journal.
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[Publications] Yoshihiro Sawada.: Earth and planetcry Science Letters.