1990 Fiscal Year Annual Research Report

続成・埋没変成域の昇温・昇圧と構造変形経過の有機変成シミュレ-ション

Research Project

Project/Area Number	63540612
Research Institution	Kyushu University
Principal Investigator	相原安津夫九州大学, 理学部, 教授 (80037291)
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha)	坂井卓九州大学, 理学部, 助手 (70128023) 木村強九州大学, 工学部, 助手 (30161566) 江崎哲郎九州大学, 工学部, 教授 (40038609) 小川勇二郎九州大学, 理学部, 教授 (20060064)
Keywords	分散型石炭化植物片 / 続成作用 / 有機変成 / ヴィトリナイト反射率 / 光学的異方性 / 石墨化度 / 低温低圧実験 / 構造変形
Research Abstract	本年度は最終年度であるので、これまでの研究を纒める方向で作業を進めた.大巾な予算の節減のため実行不可能になった大型岩石試験機によるシミュレ-ションに代えて、小形の既存の試料整形器の加圧装置と小型電気炉との組合せで小規模な昇温変形実験を試行した.これは未完であるが,有機物(石炭)試料フォ-ルダ-に細工をほどこすことで今後の研究に発展可能な基礎資料を準備することができた.かねてから視点を変えて,地質野外現象が、自然を実験室にした巨大な実験結果であると観ることで、大型試験が行えなかった経過を補うことにした.この場合の試験計画のプログラムは,天然現象における構造地質史に相当するから,実験における条件の差異は,構造発達史の差異に読替えられる.そこで,九州で特異な二つの構造体での有機変成パタ-ンを比較することを試行した.一つは外帯付加体の四万十帯で、他は臼杵八代線を挾んだ中軸帯である.それらの中〜新生界中の分散形石炭化植物片のヴィトリナイト反射率とその異方性の方向性を調査して,両者間に顕著な差を見出した.すなわち,付加体では,フィリッピン海プレ-トの沈込みの方向に相当する最大圧縮応力方向に光学的異方性の極小値が頻出する傾向が見出せた.これに反し、臼杵八代線に接する中軸帯では、光学的異方性は一定方向でなく,著しく歪んでおり、変形応力が横ずれを伴う再度の被熱下の変形で進行したことが示唆された.この調査で、ヴィトリナイトの光学的異方性に構造変形情報が記録され得ることの確証を得た.室内大型試験機による温度・圧力制御下の実験は行えなかったが、天然での構造変形史の異なる対象を選ぶことにより、ヴィトリナイトの光学的異方性から構造変形解析に資することのできる情報が得られる見通しが立った。

Research Products

(8 results)

All Other

All Publications (8 results)

[Publications] Aihara,A: "Palogeothermal influence on organic metamorphism in the neotectonics of the Japanese Islands." Tectonophysics. 159. 291-305 (1989)
[Publications] Aihara,A: "Characteristic nature of sedimentation and coalification in the Tertiary System in the Japanese Islands." International Journal of Coal Geology. 13. 437-453 (1989)
[Publications] 相原安津夫: "北部九州第三紀炭田の続成・埋没被熱の石炭化度調査による解析" 九州大学理学部研究報告地質学. 15. 103-118 (1987)
[Publications] 相原安津夫: "続成〜低変成堆積岩中の石炭化物の光学的異方性に関する地質学的問題の予察" 九州大学理学部研究報告地質学. 15. 119-129 (1987)
[Publications] Esaki,T: "The yield function with endーcap based on plastisity theory." Constructive Laws for Engineering Materials. 387-394 (1987)
[Publications] Kimura,T: "Experimental and theoretical studies on strain softning behavior of rocks." 28th U.S.Symposium on Rock Mechanics. 197-202 (1987)
[Publications] 相原安津夫: "石炭ものがたり" 青木書店, 182 (1987)
[Publications] 水谷伸治郎: "日本の堆積岩" 岩波書店, 226 (1987)

1990 Fiscal Year Annual Research Report

続成・埋没変成域の昇温・昇圧と構造変形経過の有機変成シミュレ-ション

Principal Investigator

相原 安津夫 九州大学, 理学部, 教授 (80037291)

Research Products

[Publications] Aihara,A: "Palogeothermal influence on organic metamorphism in the neotectonics of the Japanese Islands." Tectonophysics. 159. 291-305 (1989)

[Publications] Aihara,A: "Characteristic nature of sedimentation and coalification in the Tertiary System in the Japanese Islands." International Journal of Coal Geology. 13. 437-453 (1989)

[Publications] 相原 安津夫: "北部九州第三紀炭田の続成・埋没被熱の石炭化度調査による解析" 九州大学理学部研究報告地質学. 15. 103-118 (1987)

[Publications] 相原 安津夫: "続成〜低変成堆積岩中の石炭化物の光学的異方性に関する地質学的問題の予察" 九州大学理学部研究報告地質学. 15. 119-129 (1987)

[Publications] Esaki,T: "The yield function with endーcap based on plastisity theory." Constructive Laws for Engineering Materials. 387-394 (1987)

[Publications] Kimura,T: "Experimental and theoretical studies on strain softning behavior of rocks." 28th U.S.Symposium on Rock Mechanics. 197-202 (1987)

[Publications] 相原 安津夫: "石炭ものがたり" 青木書店, 182 (1987)

[Publications] 水谷 伸治郎: "日本の堆積岩" 岩波書店, 226 (1987)

相原安津夫九州大学, 理学部, 教授 (80037291)

[Publications] 相原安津夫: "北部九州第三紀炭田の続成・埋没被熱の石炭化度調査による解析" 九州大学理学部研究報告地質学. 15. 103-118 (1987)

[Publications] 相原安津夫: "続成〜低変成堆積岩中の石炭化物の光学的異方性に関する地質学的問題の予察" 九州大学理学部研究報告地質学. 15. 119-129 (1987)

[Publications] 相原安津夫: "石炭ものがたり" 青木書店, 182 (1987)

[Publications] 水谷伸治郎: "日本の堆積岩" 岩波書店, 226 (1987)