1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63540622
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
棚部 一成 東京大学, 理学部, 助教授 (20108640)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大路 樹生 東京大学, 理学部, 助手 (50160487)
速水 格 東京大学, 理学部, 教授 (80037184)
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Keywords | 軟体動物 / 二枚貝類 / アンモナイト類 / 原殻 / 胚殻 / 成長線 / 年輪 / 内助 / 初期生活史 / 発達型 / 胚発生モデル / 絶対成長 / 成長率 / 機能形態 / SEM |
Research Abstract |
1.軟体動物の初期生活史に関する研究成果(棚部による) (1)西南日本太平洋側に分布するほぼ同時代の海成新第三系から採集された二枚貝類5種の原殻段階のサイズおよび形態を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて調べ、現在種の初期生活史のデータとの比較から、それらの発達型を推定した。また原殻IIのサイズに関して認められた地理的変異の幼生生態上の意義を考察した(日本古生物学会報告記事に公表)。 (2)北海道産の保存のよいアンモナイト(5超科11種)の幼殻の表面形態および殻体構造の個体発生的変化をSEMレベルで観察した。その結果と現生有殻頭足類の胚殻形成様式の比較に基づき、アンモナイトの胚段階での内殻性体制モデルを提唱した(日本古生物学会1989年年会にて講演、内容はHISTORICAL BIOLOGY誌に印刷中)。 2.二枚貝の成長・機能形態に関する研究成果 (1)日本沿岸の千潟に生息するマルスダレガイ科二枚貝の一種カガミガイを例にして、長期成長追跡個体の殻体内成長線の付加様式を調べ、年齢・季節に依存した絶対成長パターンを明らかにした(LETHAIA誌に公表)。さらに殻体内で容易に識別できる冬輪を年齢指標として、北海道から九州に至る各地の個体群の成長パターンを比較し、水温に依存した成長率や寿命の緯度的勾配を明らかにした(MARINE ECOLOGY誌に公表)。(棚部による) (2)西太平洋地域の亜深海相に多いワタゾコツキヒ属(イタヤガイ上科)二枚貝類の内助の微細構造をSEMを用いて調べ、その系統分類学および機能形態学上の意義を考察した(日本古生生物学会報告記事に公表)。(速水による) (3)無脊権動物の付加型骨格の成長様式を比較する目的で、二枚貝と有技ウミユリ類の殻体の酸素同位体比を分析・検討した(大路による)
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 棚部一成: 日本ベントス研究会誌. 32号. 12-17 (1988)
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[Publications] Tanabe,K.;Zushi,Y.: Transaction and Proceedings of the Palaeontological Society of Japan,New Series. No.150. 491-500 (1988)
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[Publications] Tanabe,K.: Lethaia. 21. 231-241 (1988)
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[Publications] Tanabe,K;Oba,T.: Marine Ecology-Progress Series. 47. 75-82 (1988)
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[Publications] Hayami,I.: Transaction and Proceedings of the Palaeontological Society of Japan,New Seris. No.150. 476-490 (1988)
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[Publications] Oji,T.: Occasional Papers of the Univ-ersity Museum,University of Tokyo.(1989)