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1988 Fiscal Year Annual Research Report

新性代カシドゥリナ科底生有孔虫の生層序学的研究

Research Project

Project/Area Number 63540627
Research InstitutionShimane University

Principal Investigator

野村 律夫  島根大学, 教育学部, 助教授 (30144687)

Keywords底生有孔虫 / カシドゥリナ / 中新世 / 古海洋学 / 適応放散
Research Abstract

本邦のカシドゥリナ科底生有孔虫は鮮新世以降多数のタクサが報告され、古地理的分布や古生態に関する上方は豊富になってきた。本年度は、中新世のカシドゥリナ郡と明確にするため北海道と本州の21地域より集めた試料についてタクサの層位的、古地理的分布を集中して検討した。
本研究で確認されたタクサは9属42種で、かなりの多様性を示していることが明らかとなった。これを基に中新世に4つのカシドゥリナ帯を設けることができた。
次に、4カシドゥリナ帯を古海洋学的情報(Loutit et al.,1983)と比較すると、カシドゥリナタクサの出現・消滅には中期中新世次降の水温低下と沿岸域での湧昇流による庄物生産の活発化に伴った海洋環境の変化が深くかかわっていることが示される。とくに種類からみたGlobocassidulina属とIslandiella属の層位的分布の特徴は示唆的である。すなわち、第3から第4化石帯にかけてGlobocassidulina属は6種から1種に減じ、反対にIslandiella属は1種から6種に発展している。また殻壁構造(粒状〜放射状)の構成からみても放射状構造を有すタクサは寒冷化が顕著になった第4化石帯以降に急激に発展している。放射状構造で特徴づけられる現世のIslandiella属は水深130〜150m次深の冷水環境に適応していることからしても矛盾はない(Nomura,1989)。また、Islandiella属の産状は山陰沖を例にとってみると、陸源有機物の供給が少なく、しかも海洋で形成された有機物良(有機炭素)が多くなるか又は保存されやすい環境と対応して多産する傾向が認められる。
Islandiella属にみられる多様な口孔状態は、このような有機物質を摂取するための戦略として発展した適応放散の例と考えている。

  • Research Products

    (4 results)

All Other

All Publications (4 results)

  • [Publications] 野村律夫: 山陰地域研究. 4. 17-34 (1988)

  • [Publications] Pitsuo Nomura.: Revue de Paleobiologie,spec.vol.2. 859-871 (1988)

  • [Publications] 野村律夫: 島根大教育学部紀要. 23. (1988)

  • [Publications] 野村律夫: 山陰地域研究. 5. (1989)

URL: 

Published: 1990-03-20   Modified: 2016-04-21  

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