1988 Fiscal Year Annual Research Report
鉄型ゼオライトによるアンモニウムイオンとリン酸イオンの吸着
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63540645
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
後藤 義昭 群馬大学, 工業短期大学部, 助教授 (40008470)
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Keywords | シヤプチロルフッ石 / モルデンフッ石 / ゼオライトA / ゼオライトX / 走査型電子顕微鏡 / 粉末X腺回析法 |
Research Abstract |
本年度は試料として用いるゼオライトの鉱物学的性質を調べた。天然ゼオライトとして北海道余市産と長万部産、宮城県白浜産、秋田県二ツ井産、栃木県大谷産の堆積性ゼオライト岩を入手した。粉末X腺回析法により5種の試料の鉱物組成を検討した。その結果、北海道余市産と長万部産は主成分となるゼオライトはシャプチロルフッ石であり40〜45%の含有である。その他としてモンモリロナイト、長石、石英クリストパライトを共生する。秋田県二ツ井産試料はシキプチロルフッ石を67%と多く含み、これは走査型電子顕微鏡(SEM)の観察から1〜20μmの板状結晶であった。不純物としては長石、石英、クリストバライトを含むが、粘土は存在しない。しかし、SEMにより針状の形態を示すモルデンフッ石を2〜3%含むことがわかった。宮城県白沢産試料は69%もモルデンフッ石を含み、その他として長石と石英からなる。栃木県大谷産試料は上記4試料が緻密で白色度の高いものであるが、粗鬆で白色度は良くない。この試料は45%シヤプチロルフッ石を含み、石英、長石、モンモリロナイトを共生する。SEMにより2〜3%のモルデナイトが存在する。DTA及びIRでは試料間の相違が見出せなかった。またEPMAでの分析は結晶が小さいため正確な値を求められず、秋田県二ツ井産と宮城県白沢産の2試料を湿式分析により化学組成を求めた。以上の結果、ゼオライト含有量が多く陽イオン交換性を示す粘土を含まないものとしてシヤプチロルフッ石の試料として秋田県二ツ井産またはモルデレフッ石として宮城県白沢産を今後の実験に用いる試料と決定した。 新潟県間瀬を調査したが良好な火成性ゼオライトが得られなかった。そこで不純物を含まない合成ゼオライトとしてゼオライトAとXについて化学組成、形態を調べた。比較試料として用いる予定である。
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Research Products
(1 results)