1988 Fiscal Year Annual Research Report
低水蒸気分圧下のCa角閃石・MgFe角閃石・Na角閃石の相関係と組成変化について
Project/Area Number |
63540646
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Research Institution | Joetsu University of Education |
Principal Investigator |
大場 孝信 上越教育大学, 学校教育学部, 助手 (30194278)
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Keywords | Ca角閃石 / カミングトン閃石 / MgFe角閃石 / 低水蒸気分圧 |
Research Abstract |
5kbarの合成実験においてカミングトン閃石(Cum)-陽起石(Act)-斜長石(Pl)-石英(QZ)-水系でCa角閃石、Mg-Fe角閃石、Na角閃石の組成が互いにかなり固溶すること、また3kbarの予察実験ではカミングトン閃石にCa角閃石、チェルマック閃石やNa角閃石があまり固溶しない事を報告した。1kbarの実験をおこない圧力減少に伴いカミングトン閃石ヘチェルマック閃石や藍閃石成分が減少することを示し、地質圧力計として使える事を示す。 このため二台の熱水合成高圧装置を使い、酸素分圧FMQbuffer,1kbarでの実験を行った。3kbarの実験ではCum組成に富む領域で800℃での鉱物組み合わせはCpx+Opx+Qz+L+Vとなり、Cumは分解しているが、1kbar、800℃での実験ではCumは安定であった。Cum組成にAct組成を加わえていくと次のような鉱物組み合わせとなった。Cum+Opx+Qz+L+V、Cum+Cpx+Opx+Qz+Pl+L+V、Amph+Cpx+Opx+Qz+Pl+L+Vo今回の実験でカミングトン閃石のCa組成に対する安定領域は5kbarに較べて1kbarの方が拡がっていることがわかった。900℃はこの装置の温度限界に近いが、カミングトン閃石の安定温度限界を決める予定である。 1kbarの実験で長さ15μm、幅5μmの大きさのカミングトン閃石を合成することができたので、EPMAによる分析をおこないカミングトン閃石への他成分の固溶関係を明らかにする予定である。Ca角閃石についても同様である。 今回の合成の結果を用いて、温度圧力を求めるため天然に産するカミングトン閃石として、新潟県魚沼層群、上越火山灰の軽石中に存在するカミングトン閃石の科学組成と鉱物共生を検討する。このカミングトン閃石は火山岩中のカミングトン閃石と同様にNa成分が多いのが特徴的である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Oba,T;Harada,H.: Proc.kagoshima lntnal.Conf.Volcanos. 280-283 (1988)
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[Publications] Oba,T.Nakamura,Y.;Watamabe,T.: Bull.Joetsu Univ.Educ.8. 17-25 (1989)