1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63540649
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
星野 光雄 名古屋大学, 教養部, 講師 (40023626)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 正裕 名古屋大学, 教養部, 教授 (70023603)
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Keywords | 隠岐変成帯 / 複変成作用 / 原生代 / 先長城系 / 鉱物共生関係 / 温度-圧力条件 / 線構造 / 日本海の拡大 |
Research Abstract |
昨年度に引き続いて、隠岐変成帯の複変数作用につき、現地調査と室内実験の両面から研究を行った。得られたデ-タを基に総合的に検討した結果、隠岐変成帯の構造発達史が明らかとなっ。 1.源岩の形成は約20億年前に行われ、泥質堆積岩と玄武岩質凝灰岩を主体とし、若干の砂質堆積岩と石灰質堆積岩を伴っている。なお、泥質堆積岩を供給した後背地の岩石の年代は22〜23億年前と考えられる。以上のような原生代早朝の年代を示す地質体は日本列島の他地域に例がなく、隠岐帯は中朝古陸の先長城系に対比されるべきと考えている。隠岐帯はこれ以後2度にわたる顕著な広域変成作用を受ける 2.古期広域変成作用:変成年代は未だ明らかではないが、恐らく原生代の間と考えられる。鉱物共生関係と鉱物の化学組成により推定される変成作用の温度-圧力条件は、700℃以上、5Kb以上と見積られる。またこの時期に広汎なミグマタイト化作用が起った。 3.新期広域変成作用:約2億年前の出来事であって、現在見られる線構造の卓越方位(北部地域で北北西-南南東、南部地域で東-西)は、この時期に形成された。また推定される変成作用の温度-圧力条件は、550〜650℃、2〜4Kbと見積られる。 4.隠岐変成帯はその後、圧砕作用と花崗岩の貫入を受けつつ上昇し、日本海の拡大へと地史が進展していく。以上の研究成果については現在論文として準備中であり、今後は飛騨変成帯との地質学的関係の解明へと研究を続ける積りである。 なお、海域の拡大により分離された原生代の地塊として、インド洋のセイシェル諸島とアフリカ大陸の地質学的関係も、本研究と基本的には関連しているので、この問題についても研究を行った。
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Research Products
(2 results)