1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63550003
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山本 正樹 東北大学, 科学計測研究所, 助手 (00137887)
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Keywords | アモルファス超薄膜 / 連続均質膜 / エリプソメトリー / イオンビームスパッタ成膜 |
Research Abstract |
厚さ数十原子量程度で連続均質なアモルファス超薄膜を成膜する技術は軟X線用多層膜の実用化の鍵である。本研究では、超薄膜の成長過程中、島状構造が消失して膜全体が連続化する厚さdcをエリプソメーターによりその場測定し、電子顕微鏡観察による構造データと合わせて成膜過程の熱力学的研究の基礎データを得ることを目的とする。 1.連続化膜厚dcのその場測定用のエリプソメーターの四分の一波長板をバビネソレイユに変え、プローブ光の波長を変えて測定した結果、プラズマ共鳴波長にモニター波長を合わせた場合、長薄膜の成長初期の複素誘電率の変化が最大となり、dcの検出感度が最大となることが確認できた。Au膜の場合、複素誘電率の急激な変化は、3.に示す方法で確認した連続化の直前およそ5A以内で完了し、自由電子の平均自由行程が連続化に伴って急激に変化したことを示している。dcは、室温基板上にイオンビームスパッタ成膜したAn、Pd、W、Mo膜で、それぞれ50、35、30、20Aであった。Si膜では、成膜条件を一定にしてもその場測定値に変動が観測され、スパッタ成膜中に酸化が起こっていることが分かった。 2.化学的に安定な物質について、dcの成膜条件依存性を調べた。また、超高真空電子ビーム蒸着法を用いてAuを成膜し測定したところ、dcは110Aであり成膜法による差が明らかとなった。 3.成膜中に、1.で決めたdcの前後で順に下地面をシャッターで覆い、各状態を固定し、各部を試料として透過電子顕微鏡観察及び電子線回析測定を行った。この結果、dcが膜の連続化直後の値であること、イオンビームスパッタで成膜した試料は多結晶構造であることが分かった。これによって、結晶粒のサイズと連続化膜厚dcとの相関を検討するデータが得られた。
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Research Products
(1 results)