1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63550007
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田宮 壽美子 東京大学, 工学部, 助手 (90010925)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡部 洋一 東京大学, 工学部, 助教授 (50011169)
岡村 総吾 東京電機大学, 総合研究所, 教授 (50010616)
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Keywords | 島状構造金属薄膜 / トンネル効果 / 真空蒸着 / 液体He温度 / 超伝導 |
Research Abstract |
63年度研究計画の内、計画1および3、4に関しては次のような成果が得られた。1の島状金属薄膜の作製については50μmφの金属線を張った金属マスクを用いて、真空蒸着でガラス基板上に約50μm間隙りCu/Au電極を形成し、この電極間にPtを蒸着して(50×200)μm程度の小面積の島状金属薄膜素子を作製した。Pt蒸着中は真空槽の外部端子で抵抗値を測定する事により島の形成過程および形成条件等を求めた。電子顕微鏡で観測した結果Pt薄膜の場合は、面抵抗値が数百kΩ_□から十数kΩ_□の範囲の素子は明らかに島状構造である事が判明した。計画3の蒸着時の印加電界の影響については、1〜10kV/cm程度の直流及び交流の電界を印加して蒸着を行い、蒸着中各瞬時の面抵抗値と平均膜厚とを測定して島形成の過程を検討する事により、量子化特性(SET効果)の測定が期待出来るような狭い島間隔の構造を得るための条件を求めた。適当な電界を印加した場合の島の形成・成長に要する時間は、蒸着速度が等しい無電界の場合より短い。またPtの場合は面抵抗値が数十kΩ_□まで蒸着が進行すると島間隔が5〓程度となり、更に蒸着が進んで抵抗値が低下すると数個の島が連結してフィラメント状になり易い事が分かった。計画4の基板表面に電子ビーム商社の前処理を行う事の影響については、一応の実験結果は得られていたが、電子ビーム照射処理が基板表面に影響を及ぼす機構が解明出来ていない。計画2の液体He温度における電圧・電流特性の測定についは、クライオスタット等の低温実験装置の準備に予想以上の時間を要したため、現在まだ肝心のSET効果の観測に成功していない。今後は液体He温度における観測実験に全力を傾注したい。 なお当初の計画では常伝導金属Ptの島状薄膜素子を用いて実験を行う予定であったが、Snのような超伝導金属素子の方がSET効果を起こし易いという検討結果もあるので今後はこの点についても検討を行いたい。
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Research Products
(1 results)