1989 Fiscal Year Annual Research Report
直流電場中でのII-VI族半導体結晶の成長とその評価
Project/Area Number |
63550019
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
岩永 浩 長崎大学, 教養部, 教授 (40039772)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
望月 勝美 東北大学, 工学部, 助教授 (30089792)
冨塚 明 長崎大学, 教養部, 助手 (70164027)
柴田 昇 長崎大学, 教養部, 教授 (40039756)
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Keywords | CdS / CrSi / CuCl / 電場 / 極性 / モルフォロジ- |
Research Abstract |
1.CdS基板結晶上への結晶成長に及ぼす電場の効果 電場なしの場合と、60Hzの交流1kVの場合には、基板結晶の両極性面上にそれぞれエピタキシャル成長した。しかし、-1kVの直流電場中では、Cd面上にはエピタキシャル成長するがS面上はランダムな成長である。一方、+1kVの電場中では-1kVの場合と逆であった。 2.直流電場中で成長したCuCl結晶 CuCl結晶は閃亜鉛鉱型の結晶構造をもち、〈111〉方向に4本の極性軸をもつ。CuCl粉末を約500℃で昇華させると300℃の温度領域に樹枝状(長さ1〜10mm)結晶が成長する。この結晶には幹結晶から60°の角をなして枝結晶が〈112〉方向に成長し、結晶表面は{111}面であった。また、幹結晶に対して90°の角度に枝結晶が〈100〉方向に成長している樹枝状結晶も得られた。CuClはイオン性が強いので、電場による成長方向の影響が大きいと考えられた。しかし、中心電極線上に得られた結晶は大きな結晶は得られず、微結晶が得られた。CdSのような成長方向への顕著な電場の影響が表れなかった理由は、CuClは閃亜鉛鉱型結晶であるために、極性軸が4本あるために優性方向が明らかでなかったためと考えられる。 3.電場なしのセラミックスの結晶成長 六方晶系や正方晶系の結晶では成長方向に対する電場の影響が明朗であると思われるので、CrSi、CrFeSi系の結晶についてまず電場なしの条件での成長実験から始めた。その結晶:Cr_3Si_2の正方晶系の結晶や、(Cr_<1-x>Fe_x)_5Si_3の六方晶糸ホロ-結晶が得られた。さらに、高温性に優れた窒化ケイ素ばね状結晶がCVD法によって得られたので、今後これらの結晶について、成長速度に及ぼす電場の効果の研究を行なう。
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[Publications] 富塚明,岩永浩,柴田昇: "CuCl結晶の成長に及ぼす電場の影響" 長崎大学教養部紀要. 30. 31-35 (1989)
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[Publications] H.Iwanaga,M.Egashira,S.Takeuchi: "Twins in SnO_2 whiskers" J.Mater.Sci.Letters. 8. 1179-1181 (1989)
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[Publications] S.Motojima,C.Ohashi,H.Iwanaga: "Preparation of whiskers and spring-like fibers of Si_3N_4 by imparity-activated CVD" J.Crystal Growth. 96. 338-339 (1989)
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[Publications] S.Motojima,C.Ohashi,H.Iwanaga: "Crystal growth of new ternary compounds (Cr_<1-x>Fe_x)_5Si_3 on vapour-phase stainless steel" Mater.Sci.and Engineering B. 2. L1-3 (1989)
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[Publications] H.Iwanaga,S.Motojima,S.Takeuchi: "Amorphous Si_3N_4 whiskers containing a core" J.Crystal Growth.
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[Publications] H.Iwanaga,A.Tomizuka,N.Shibata: "Twins in CdS Crystallite" J.Crystal Growth.