1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63550027
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
安庭 宗久 福岡大学, 理学部, 助教授 (90044289)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
椿原 晋介 福岡大学, 理学部, 助手 (70188613)
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Keywords | ポリエチレン / 伸びきり鎖結晶 / 高圧 / 高圧相 |
Research Abstract |
本研究の目的はポリエチレン伸びきり鎖結晶の生成機構について未解明な諸問題を明らかにすることである。今年度の研究では、以下1,2に示す新たな知見を得ることができた。 1.希薄溶液から結晶化した単結晶が一方向によく積層した試量(単結晶マット)の、高圧下での融解・結晶化過程におけるラメラの厚みの変化、分子鎖の配向方向の変化を、小角および広角X線散乱測定によって追跡した。 その結果 (1)昇温過程中、高圧相の温度域でラメラの厚化により既に伸びきり鎖結晶が形成されている。 (2)融解後も融解前の結晶構造を反映した分子鎖の配向秩序が残り、それが結晶化過程での伸びきり鎖結晶の成長に影響している。 などが明らかとなった。 2.伸びきり鎖結晶のモルフォロジーの分子量による違いを走査型電子顕微鏡により観察した。その結果、絡み合いが多く溶融粘度の高い分子量の大きな試量では、原試量に存在するフィブリルの高次構造が高圧下での融解・結晶化過程で壊れず、その結果形成されるバンドの形態も不整なフィブリル状の構造となることが明らかとなった。 *今後の研究計画 伸びきり鎖結晶の生成に密接に関連している高圧相についての知見を得るために、エポキシで固めて熱収縮を抑えた繊維試量の高圧DTAをとる予定である。
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Research Products
(2 results)