1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63550055
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
松崎 雄嗣 名古屋大学, 工学部, 教授 (70175602)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 泰勝 航空宇宙技術研究所, 機体第1部, 主任研究官
古谷 寛 名古屋大学, 工学部, 講師
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Keywords | 軽量薄肉弾性流路管 / 非線形自励振動 / 2次元流路模型 / 2自由度弾性系モデル / 非線形理論解析 |
Research Abstract |
ロケットや宇宙飛翔体の液体燃料パイプなどの様な軽量薄肉弾性流路管の中の流れは、流体圧と管の弾性変形の相互干渉により、大変複雑な静的、動的な挙動を示す。そのため、近似理論解析や模型による実験の報告が数多くされている。しかし、近似理論の仮定を実証するための基礎的なデータに欠けている。そこで、非線形自励振動が生じている際の弾性壁に作用する流体圧力の理論と比較しうるデータを得るため、調和振動可能な剛な流路壁を持つ2次元流路模型を設計、製作し、圧力計(2個)を購入して、壁を静的に変形させた際、および壁を調和振動させた時の流量と圧力分布の計測を行なった。この計測により、従来比較すべきデータのなかった、特に壁の振動時における流体圧力の振動特性への有用な知見が得られた。また、従来から当該研究者らの提案している数学モデルを用いた数値解析において、計測された実験データに対応して、上流・下流での流れの境界条件に一致した計算を進めている。この実験値と解析値の比較検討から、実験方法の改良と当該研究者らの解析の近似についての修正のための資料が得られると期待される。さらに軽量弾性管の端から燃焼した気体をジェットとして噴出させて衛星などの運動の制御が行なわれる。そこで、一般に極めて複雑な特性を示す弾性管の挙動を定性的に解析するため、従動力を受ける2自由度弾性系モデルによる安定解析を行なった。特に、最近著しい発展をとげている微分幾何学の理論的手法を用いることにより、従来の非線形理論解析では十分に把握出来ない動的、静的な特性を明らかにすることが出来た。この解析により、流体を伝える弾性管の問題の実験や数値計算において発生が確認されているカオス振動について、理論的に解明を進めるための基礎が得られた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Y.MATSUZAKI: Journal of Sound and Vibration. 126(2). 265-277 (1988)
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[Publications] Yuji Matsuzaki: Trans.ASME,J.Biomechanical Engineering. (1989)