1988 Fiscal Year Annual Research Report
異材界面の強度と破壊の数値シミュレーション解析法の確立
Project/Area Number |
63550075
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
結城 良治 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (70114709)
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Keywords | 破壊力学 / 界面き裂 / 接着継手 / 複合材料 / 境界要素法 / 数値シミュレーション / 疲労強度 / 破壊靱性 |
Research Abstract |
集積回路から自動車・航空機に至るまで広範囲の分野で近年樹脂・セラミックス・金属等の様々な組合せの異種材料の接合構造化が進んでいる。また先端材料の開発において、この接合・複合化の技術が重要なポイントとなっている。しかし、強度面から見ると互いに異なる材料を接合した"異材界面"では応力の不連続や集中が生じ、界面強度の異常な低下が危惧され、その強度評価の確立は重要な課題である。また異材界面に近接するき裂は、材料の組合せや負荷条件によって界面上で停留や分岐をしたり、加速貫通したり多様な挙動を呈するが、この様なき裂挙動の定量的評価手法はまだ確立していないのが現状である。 本研究は、この異材接合構造の強度評価および破壊予測法の確立を目的とする。このため複雑な異材接合構造の応力集中およびき裂問題を効率的かつ高精度に解析できる新たな境界要素弾性解析法を開発した。 本解析法の特徴は、従来主に用いられている無限板の集中力解(Kelvinの解)のかわりに異材界面の境界条件を厳密に満たすHetenyiの解を基本解に導入することにより、異材界面を離散化近似することなく、有限境界のみの離散化で効率的な解析が可能となる点にある。さらに数値解析データの入力および出力さらに結果の図形出力を行なうためにエンジニアリングワークステーション一式(Sun Microsystem社)を導入し、作業の効率化を図った。また従来混乱が生じていた界面上の応力拡大係数の定義を明確にし、この応力拡大係数を上述の解析法で求める手法を開発し、各種異材接合継手の界面き裂の応力拡大係数の系統的な解析を行った。 さらに各種の接着継手の破壊実験を行い、異材界面上のき裂の発生・成長挙動を定量的に評価し、その法則を明らかにし、異材界面の強度・破壊の数値シミュレーション解析法を確立した。
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[Publications] 鄭南龍、結城良治、石川晴雄、中野禅: 日本機械学会論文集A編. 54巻506号. 1985-1902 (1988)
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[Publications] 結城良治、〓相鳳: 日本機械学会論文集A編. 55巻510号. 340-347 (1989)
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[Publications] 結城良治: 日本機械学会論文集A編. 54巻505. 1661-1669 (1988)
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[Publications] 鄭南龍、結城良治、石川晴雄、中野禅: 日本機械学会論文集. (1989)
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[Publications] 結城良治: 日本機械学会第66期通常総会のワークショップ講演予定. (1989)