1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63550077
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
岸本 喜久男 東京工業大学, 工学部, 助教授 (30111652)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 繁 東京工業大学, 工学部, 教授 (90016436)
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Keywords | 衝撃破壊靱性 / 落重式衝撃試験 / 簡便評価式 / 曲げ試験 / 動的応力拡大係数 / 塑性域補正 / J[D4^]D4積分 |
Research Abstract |
衝撃荷重を受ける機械や構造物の安全設計をするためには、動的な試験で得られる材料の物性値を用いる必要がある。高靱性材料の弾塑性破壊じん性値の評価法としてはJIC試験法がすでに確立されているが、動的な試験においては、塑性変形の影響だけでなく慣性力の影響についても考慮する必要があるので、JIC試験法をそのままの形で適用することは困難である。そこで、本研究では、高靱性材料の衝撃破壊じん性値を正確に測定する方法を動的弾塑性破壊力学を用いることにより確立するとともに、簡便で迅速な試験方法を探求することを目的とする。本年度における研究により、以下の結果が得られた。 1.動的弾塑性破壊力学パラメータJ[D4^]D4積分の有限要素解析プログラムを作成した。動的有限要素解析では計算時間が長大となるので、衝撃試験に際して、有限要素法を用いるのは経済的でないと考えられる。 2.三点曲げ試験に対して、J[D4^]D4積分の簡便評価式を導出した。すなわち梁の動的理論を用いて導かれた動的応力拡大係数の簡便評価式に、塑性域補正の考え方を適用して拡張し、J[D4^]D4積分に対する評価式を求めた。有限要素法による弾1塑性解析結果と比較検討し、本簡便評価法が実用上十分な精度を有していること、および塑性域補正の適用限界を明らかにした。塑性域補正の適用範囲は、公称曲げ応力の最大値をJMmax、降伏応力をσysとσMmax/σys≦0.5で与えられる。 三.三点曲げ試験においては、支持端における試験片の飛び上がりが問題となる場合がある。この問題点を解決する目的から、両端自由曲げ(一点曲げ)による試験について検討した。そして、一点曲げ試験に対する動的応力拡大係数の簡便式を導出した。本式に三点曲げの場合と同様に塑性域補正を施せば、J[D4^]D4積分の評価式が得られると考えられる。本簡便式を用いた計測システムの作製が今後の課題と考えられる。
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