1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63550078
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
池上 晧三 東京工業大学, 精密工学研究所, 教授 (40016788)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新津 靖 東京工業大学, 精密工学研究所, 助手 (70143659)
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Keywords | 塑性変形 / 組合せ応力 / 低温 / ステンレス鋼 / 温度変化 |
Research Abstract |
低温用構造材料として多用されているSUS304ステンレス鋼を対象として、おもに液体窒素温度(77K)における複合非弾性変形挙動と、室温と液体窒素温度の間で温度を変化させた場合の非弾性変形挙動を実験的に調べ、その挙動を明らかにした。以下に、その結果を示す。 1.液体窒素温度下では、圧縮方向の流動応力の方が引張方向のそれよりも大きく、降伏曲面は、圧縮方向に膨らんだいびつな形状をしていることがわかった。 2.引張り予ひずみ後にねじった場合、流動応力の上昇(潜在硬化)が観察された。また、圧縮後のねじり、ねじり後の圧縮およびねじり後の引張りについても同様の現象が観察され、その定量化が成された。 3.塑性ひずみで1%〜4%の範囲で、顕著な時間依存性の変形挙動が観察された。さらにこの時間依存性の挙動は加工硬化が進み応力が高くなると消滅することがわかった。これについては、今後の課題として研究を進め、その詳細を解明していきたい。 4.室温で引張予ひずみ後、77Kで引張り、圧縮およびねじり方向に再負荷する実験を行った結果、室温で引っ張った後にも、低温下では圧縮方向に硬いという異方性と負荷方向変化に伴う潜在硬化が生じることがわかった。 5.低温下におけるSUS304鋼の非弾性変形挙動は、従来、多結晶金属材料に用いられてきた初期等方型の構成関係では表現することはできず、脆性材料に顕著に現られる初期異方性を加味した構成式を考える必要があることがわかった。 今後の課題としては、77Kで予変形を与えた後に室温において種々の負荷試験を行い、低温で生じた変態を伴った非弾性変形が、室温での応力-ひずみ関係におよぼす影響を実験的に調べることと、3.の低温における時間依存性の変形挙動について実験的に調べることである。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Yasushi NIITSU;KozoIKEGAME: JSMEInternational Journal Series I. 32-1. 73-80 (1989)
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[Publications] Akinori HORIGUCHI Yasushi NIITSU;KozoIKEGAMI: Proc.of International Conference on Advanced Mechatronics in Tokyo May22-24 1989.
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[Publications] Kozo IKEGAMI: Proc.of International Conferenceon Constitutive Laws for Engineering Materials August 1989 in Chaina.
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[Publications] Yasushi NITTSU;Kozo IKEGAME: Proc.of ASME1989P.V.P.Conference in Hawaii July 1989.
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[Publications] Yasushi NIITSU;Kozo IKEGAMI: Proc.of 2nd International Symposiumon Plasticityand Its Current Applications August M 1989 in TSU(Japan).