1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63550086
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
阿部 武治 岡山大学, 工学部, 教授 (90135955)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
納所 孝至 岡山大学, 工学部, 助手 (80208298)
長岐 滋 岡山大学, 工学部, 講師 (30135959)
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Keywords | 塑性変形 / 不均一変形 / 表面あらさ / 多結晶金属材料 / 高分子材料 / 走査電子顕微鏡観察 |
Research Abstract |
本研究は、金属および高分子材料の不均一変形と表面状変化を解明しようとしたのであるが、内容は数値シミュレ-ションを中心とする解析的研究と、表面あらさ計および走査型電子顕微鏡(SEM)を用いた実験的研究からなっている。当該年度に学術雑誌等に発表した研究成果の概要を述べると次のようになる。 1.材料研究における解析的な取扱いについて、特に不均質体の弾性、塑性、粘弾性変形に対する有限要素法を中心とする数値シミュレ-ションの有用性とその限界について概説した。また、材料研究におけるマクロとミクロの関連についても考察を加えた。 2.二相合金の変形挙動と表面あらさについて実験的に明らかにするため、α相およびβ相からなる6-4黄銅を用い、圧縮塑性変形に伴う表面あらさ変化およびSEM観察による結晶粒の形状変化を調べ、考察を加えた。その結果、α相に比較して硬いβ相においても塑性変形を生じているが、その程度は少ないことが明らかになった。 3.ゴム材料においても、種々のゴムを組合せて目的の特性を有するゴムを得る場合がある。ここでは、Mooney-Rivlin型の構成式をもつゴム複合体の変形挙動を平面応力の場合について、有限要素法および長方形状の硬軟ゴムからなる複合体モデルを用いて調べ、変形挙動の特性を明らかにした。 4.その他に、高分子材料の塑性変形に伴う表面あらさ変化に及ぼす結晶化度の影響、走査電子顕微鏡内引張り試験と不均一変形の測定システム、粘弾性不均質体の変形解析と対応原理、などについても検討を加えた。
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[Publications] 阿部武治: "材料研究と数値シミュレ-ション" 機械の研究. 42. 341-347 (1990)
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[Publications] 阿部武治、野村晃: "二相合金の塑性変形におけるひずみの不均一と表面粗さ" 材料.
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[Publications] 越智衛、阿部武治: "ゴム複合体の変形の解析" 日本ゴム協会誌.