1989 Fiscal Year Annual Research Report
応力波可視化法を用いたAE波の発生機構に関する研究
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63550091
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Research Institution | MIYAGI NATIONAL COLLEGE OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
伊達 和博 宮城工業高等専門学校, 機械工学科, 助教授 (10111254)
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Keywords | 可視化法 / AE法 / AEセンサ- / AE波の発生 / 音圧解析 |
Research Abstract |
本研究では、透明なガラス試験体中に圧電素子を埋め込み、これに電気的スパイクを加えて変形させることにより、き裂先端の破壊に伴う変形を模擬し、AE波の発生機構を検討した。この変形により発生する模擬AE波は、研究代表者らが開発した応力波可視化装置で可視化解析することにより、センサ-で受信されるまでのAE波の挙動を調べた。 今年度は、昨年度までの結果をもとに、同じ応力波可視化装置を用いて、試験片形状の違いによるAE波の発生伝播挙動の違いと、埋め込む圧電素子を厚み振動型からせん断型に変え、モ-ドII型の破壊を模擬した変形をスリット先端に与え、そこからのAE波の発生伝播挙動について調べた。得られた知見を以下に列記する。 1.試験片の形状により、発生するAE波は同じでも、伝播挙動が全く異なることがわかった。特に、発生源が表面近くで試験片が板状の場合、モ-ド変換による縦波と横波が非常に発生し、干渉し合って、発生時から波形が大きく変化して行くことがわかった。 2.せん断型振動の圧電素子を埋め込んだ場合も、スリット先端からは縦波と横波が同時に放出され、放射状に広がって行った。その音圧分布は、厚み方向振動型とせん断型の場合、縦波と横波の主方向が逆になっていた。 3.せん断型の圧電素子を用いた場合、スリット面に沿って強い表面波が認められた。 4.試験片上に置いたAEセンサ-からは、突発型AE波を受信することができた。また、その音は耳でも聞くことができた。 5.可視化像からのAE波の音圧分布と波形解析から、適当な窓関数を定めることにより、AEセンサ-の伝達関数を求めることができた。これはAE源の方向により変わっていた。
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