1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63550096
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
進村 武男 宇都宮大学, 工学部, 助手 (30008049)
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Keywords | 表面研磨 / 磁場利用加工 / 磁気研磨法 / 曲面研磨 / 平滑加工 / 磁性砥粒 / 工具磁極回転方式 |
Research Abstract |
X-Yテーブル2軸運動制御用ステッピングモータを設置した磁気研磨実験装置を新規に設計製作し、実験の第1段階として曲率の大きな曲面を想定し、平面磁気研磨特性を究明、その加工機構を考察した。得られた結果は次のようである。(1)専用磁気研磨装置を設計製作し、加工装置における電磁コイルの設置位置および磁気回路構成部品の設計指針を得た。(2)製作した研磨装置における最高磁束密度は1.5Tであり、磁気研磨装置としては十分な値が得られた。(3)平面磁気研磨加工特性を実験的に究明し、磁性工作物材料(軟鋼、焼入れ鋼)、非磁性工作物材料(ステンレス鋼、黄銅)、硬脆材料(セラミックス、シリコンウエハ、光学ガラス)の研磨特性に及ぼす磁束密度、磁極回転周速度、加工間隙、工作物送り速度、磁性砥粒の種類、工作物厚さ、磁性砥粒の供給量、加工液、磁極の繰返し工程数、磁性砥粒の寿命の影響をそれぞれ明らかにし、曲面研磨における加工条件の選定を容易にした。(4)上記の研磨特性を磁気工学的に解析し、加工機構を考察した。(5)精密な表面仕上げの一手段として電解複合磁気研磨法をとりあげ、電解作用により良好な研磨効果が得られることを確認した。(6)新しいフェライト磁性砥粒およびニッケル電鋳ダイヤモンド磁性砥粒を開発試作し、従来の磁性砥粒の研磨性能を高め得た。特にニッケル電鋳ダイヤモンド磁性低粒の研磨性能は従来品に比べ格段に優れ、しかも再利用が可能なことを明らかにした。(7)本年度は形状精度の確認まではできていないが、面精度の影響を明らかにでき、磁性砥粒の選定にもよるが、0.1μRmax以下の鏡面が容易に得られることを示した。問題点として、加工軌跡の重ね合わせによる加工面のうねり発生が予想され、今後の解決すべき課題であることを示した。本研究成果の一部は精密工学会講演会にて発表し、学会研究論文として投稿した。次年度は曲面の磁気研磨を実施する予定。
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Research Products
(2 results)