1988 Fiscal Year Annual Research Report
超精密旋盤用真空チャック面の熱変形・弾性変形による形状変化
Project/Area Number |
63550101
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
横山 和宏 新潟大学, 工学部, 助教授 (00018673)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
速水 清 新潟工業技術センター, 室長
一宮 亮一 新潟大学, 工学部, 教授 (10035595)
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Keywords | 超精密旋盤 / 油静圧式主軸 / チャック面 / 平面度 / 温度分布 / 熱変形 / 遠心力 / 弾性変形 |
Research Abstract |
油静圧式主軸の超精密旋盤について、熱変形・遠心力にもとずくチャック面の平面度変化を解析した。 1.温度分布を測定するため、チャック面に黒体テープを貼り付け、輻射式温度計を用いた。工具台に設置した温度計を移動させて、回転しているチャック面の温度分布を測定した。チャック面の温度はほぼ均一で、時間とともに緩やかに温度上昇する(max.8℃、3000rpm)。 2.テーブル上に設置した変位計を移動させて、回転中のチャック面形状を測定した。テーブル移動の真直度誤差の影響を除去するため、別の変位計を直定規に対向させ、これら2つの変位計の出力差を測定した。測定(2分30秒/1回)で得られたデータから、ある時刻におけるチャック面形状を求めるため、Aitkinの補間法を用いた。熱変形によるチャック面の平面度変化は2.1μm(2000rpm)〜3.0μm(3000rpm)生じており、いずれも熱変形により中央部が作業者側へ突き出すことが明らかになった。温度分布がほぼ均一であることから、この形状変化は純粋な熱変形だけでなく、チャック面の構造をも含めた解析を行う必要があると考えられる。 3.遠心力による平面度変化は、複数の変位計を用いて測定した。チャック面は周方向に凸凹があるので、主軸停止時のチャック面位置は一定値を示さない。そこで、主軸の回転開始および停止時における低速回転時の変位と予定の回転数に達した状態の変位の差を、遠心力の影響とした。チャック面は中央部が主軸の後方へひっこむ(0.3〜0.7μm(2000〜3000rpm)ことが明らかになった。 4.有限要素法による数値解析プログラムは現在開発中です。これは空気静圧式主軸(S.63年12月納入)の運転準備と予備実験を先行させ、次年度における研究をスムーズに実行する計画によるものです。
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