1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63550111
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
石川 憲一 金沢工業大学, 工学部, 教授 (00064452)
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Keywords | 振動 / 遊離砥粒 / ラッピング加工 / マルチワイヤソー / 硬脆材料 / 高能率 / 高精度 / 加工クラック層 |
Research Abstract |
硬脆材料の切断・溝入れ加工法の1方法である商用電源周波数領域以下の調和振動を加工用ピアノ線ワイヤに付加させる振動マルチワイヤソー方式を用いて研究を行った結果以下に述べる事柄が明らかとなった。 1.調和振動を付加させた時のワイヤの挙動は、ワイヤに付加される強制振動数<<ワイヤの固有振動数の条件が成り立つ場合にワイヤは直線状に振動することが明らとなった。 2.加工荷重によってワイヤに生じる静たわみよりワイヤに付加させる調和振動の振幅が大きくなるにつれて、ワイヤと被加工物の接触率は徐々に減少し、最終的に50%に近づくことがわかった。 3.有効砥粒の進入効果及び有効加工荷重の増加によって振動切断時の加工能率は無振動切断時より2倍程度まで増加した。 4.加工能率に及ぼす振幅の依存性は、振幅がワイヤの静たわみより大きくなると急激に増加した。 5.加工能率に及ぼす振動数の依存性は、振動数が増加するにつれて徐々に増加した。 6.加工能率に及ぼす位相差の依存性はほとんど見られなかった。 7.切断後のウェハの厚さはウェハの長手方向及び切断方向共に振動切断時の方が無振動切断時より若干薄くなる傾向を示した。また、それのばらつきは振幅が大きくなるにつれて減少した。 8.切断加工後のウェハのうねりは、ウェハの長手方向に対しては振幅が大きくなるにつれて多少増加する傾向を示し、ウェハの切断方向に対しては振幅の増加と共に減少する傾向を示した。 9.シリコンを切断することによって生じるシリコンウェハの加工クラック層は無振動切断、振動切断共にほぼ同様の値(6〜9μm)を示した。
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[Publications] 石川憲一: 日本機械学会論文集C編.
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[Publications] 石川憲一: 1989年度精密工学会春季大会講演論文集. (1989-3)
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[Publications] 石川憲一: "振動応用光学" 金沢工業大学出版局, (1989)