1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63550114
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
久門 輝正 群馬大学, 工学部, 教授 (20029060)
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Keywords | AE振幅分布 / AE平均RMS値 / ダイヤモンドスライダー / セラミックスディスク / 引っかき試験垂直荷重 / 損傷形態 |
Research Abstract |
ピン・円板型摩擦・摩耗試験機を用いて先端曲率半径0.1mmのダイヤモンドスライダーで3種類(Al_2O_3、ZrO_2、Si_3N_4)のセラミックスディスクを垂直荷重W=0.49〜20.9N;摩擦速度0.025mm/Sで引っかいたとき、その際生じる微視的破壞から発生するAE(アコースティックエミッション)をAEセンサにより検出し、増幅器、フィルタを通した後、AE解析システムにより数種のパラメータを算出した。さらにその結果と他の物理量(垂直荷重、摩擦係数、摩擦痕の損傷状態など)と比較を行い、セラミックスの特性評価に有効なAEパラメータや引っかきによるセラミックスの材料特性評価方法を明らかにしようとした。その結果、次のようなことが明らかになった。 1.AE振幅分布の荷重依存性 Al_2O_3ディスクの場合、一定荷重において大きな振幅数は少なく、小さな振幅は数多く発生する。また、AE事象数(dn/dt)と増大振幅値Xとの関係はlog(W/dt)=C+blogXで表される。ただし、垂直荷重を増加させるとCの値が増大し、全体的にAE事象数の頻度が増大することがわかり、bの値はほとんど変化しなかった。なお、ZrO_2やSi_3N_4ディスクではAEはほとんど発生しなかった。 2.AE平均RMS値と垂直荷重 垂直荷重W=2〜3N、4〜5N、15Nで平均RMS値が急増する。これらの原因としてはそれぞれ、(1)気孔端部の欠けとくぼみ形成のみの塑性変化、(2)亀裂を伴う深い溝の形成、(3)掘り起こしとともに摩耗粉を伴う塑性変形と破壞による溝形成に相当する。したがって、平均RMS値と種々の変形形態を対応づけておけば平均RMS値の大きさによってその損傷形態がインプロセスで検出できる。今後、セラミックス同士の組合せでも実験により確かめる。 3.同種のセラミックスディスク(Al_2O_3)であっても表面粗さや気孔率の差によってAE平均RMS値は変化する。
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