1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63550117
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
中原 綱光 東京工業大学, 工学部, 助教授 (80016625)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
京極 啓史 東京工業大学, 工学部, 助手 (70153236)
|
Keywords | スベリ軸受 / 濡れ / 摩擦特性 / 流体潤滑 / 境界潤滑 / 試験装置 |
Research Abstract |
本研究では、濡れ性の異なる種々の材料と潤滑剤の組合せに対して流体潤滑の限界条件を測定し、また固体と液体の界面で濡れ性に比例したすべり率を与えた潤滑理論を作り、その理論と実験結果を比較することにより濡れ性と流体潤滑との相関を明らかにし、境界潤滑のメカニズム解明に寄与することを目的として以下のことを行った。 1.実験装置の改造 補助金の削減により、現在保有する部分ジャーナル試験機を、濡れ性の異なる種々の軸及び軸受が交換できるように改造し、また、なじみ運転の良否が本実験の成否の鍵を握っているので、なじみ運転条件を良好にする手段として負荷に振動を加えることを試みるための改造を施した。 2.流体潤滑限界条件の測定 まず、流体潤滑限界条件に材料の濡れ性以外の影響が少なくなるような実験法を確立するために、まず標準的な金属性のホワイトメタル、アルミニウム合金及び燐青銅につい、再現性ある摩擦特性が得られるなじみ運転法ならびになじみ条件を探した。負荷に振動を加えることを試みた結果、加振しない時よりもよくなじむこと、再現性の良い摩擦特性が得られることが分かった。次に、それらと濡れ性が非常に異なる軸受材料としてセラミックスを用い、鉱油を潤滑剤として実験を行ったが、上記の実験準備と予備実験に大半の時間を取られてしまったので、僅かな結果しか得られず、従って断定はできないが、濡れ性の悪いセラミックスの方が流体潤滑の範囲が狭かった。 3.理論との比較 ここで提案した理論は、従来のレイノルズ方程式において、粘生係数を修正するもので、形の上では希薄気体潤滑論に類似している。しかし、修正係数を実験から求められるものであるので、その係数を求めるまでには至らなかった。 4.反省 この研究専用の単純高精度な装置で実験を行う必要があった。
|
Research Products
(1 results)