1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63550121
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
小田 哲 鳥取大学, 工学部, 教授 (50032016)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川越 治郎 鳥取大学, 工学部, 教授 (60032009)
小出 隆夫 鳥取大学, 工学部, 助手 (60127446)
宮近 幸逸 鳥取大学, 工学部, 講師 (30157664)
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Keywords | 歯車 / 真空 / 曲げ疲労強度 / 衝撃強度 / 侵炭焼入れ / 硬化層厚さ |
Research Abstract |
本研究では,まず試作した低温用歯車曲げ疲労試験機および低温用歯車衝撃試験機を用いて,室温および低温(-60°C)下において硬化層厚さの異なる3種類の侵炭焼入れ歯車に対してパルセータ試験および衝撃試験を行って,低温下における侵炭焼入れ歯車の曲げ疲労強度および衝撃強度について検討を加えた。つぎに,真空用歯車曲げ疲労試験機を用いて,大気中および真空中(p=9×10^<-3>,10^<-3>Torr)においてS45C調質鋼歯車に対してパルセータ試験を行って,真空中における歯車の曲げ疲労強度についても検討を加えた。 その結果,低温下における侵炭焼入れ歯車の曲げ疲労強度は室温下の場合よりも大きくなるが,衝撃強度は逆に小さくなること,曲げ疲労強度は室温,低温下のいずれの場合もある一定の有効硬化層厚さ(Hv550に至るまでの表面からの距離)で極大値を示し,曲げ疲労強度に対しては最適硬化層厚さが存在するのに対し、衝撃強度は硬化層厚さの増加につれて直線的に減少すること,および曲げ疲労試験,衝撃試験における歯車のき裂発生位置,低温下のいずれの場合も,Hoferの危険断面近傍であることが明らかになった。また,曲げ疲労限界は大気中と真空中(p≦10^<-3>Torr)でほとんど変わらないが、曲げ疲労の寿命は大気中よりも真空中で長くなり,真空度が高いほど長くなることが明らかになった。 次年度以降においては,低温下,真空中におけるパルセータ試験を継続するとともに,真空用動力循環式歯車運転試験機を用いて,真空中における歯車の歯面強度,効率,摩擦係数,摩耗特性などに及ぼすコーティング,材料・熱処理の影響などについても検討を加え,特殊環境下における歯車の負荷能力に関する広汎な設計資料を得ることにつとめる。
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