1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63550122
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
吉田 彰 岡山大学, 工学部, 教授 (40033146)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大上 祐司 岡山大学, 工学部, 助手 (60203709)
小幡 文雄 水産大学校, 助教授
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Keywords | 歯車 / 粉末焼結歯車 / 疲れ強さ / 歯の折損 / 歯面損傷 / 動的性能 |
Research Abstract |
近年、その経済性により、動力伝達用歯車などに表面硬化された粉末焼結歯車が使用されるようになり、その強度評価が問題となっているが、これに関する研究はまだほとんど行われておらず、表面硬化された粉末焼結歯車の疲れ強さと動的性能に関する基礎的研究が急務となっている。そこで本研究では高周波焼入粉末焼結歯車について、その疲れ損傷、強さ、動的性能に関する基礎的研究を行いこれらについて基礎的知見をえて、工学的発展に寄与せんことを目的としている。 まず本実験では、原料粉と高周波焼入条件の異なる3種類の粉末焼結歯車について、動力循環式歯車試験機により運転疲れ試験を行うとともに、その損傷形態を観察し、疲れ過程中の歯形変化と動的性能変化の関係を明らかにした。本実験で発生した焼結歯車の疲れ損傷形態は、歯元からの曲げによる歯の折損、かみあいピッチ点付近からのピッチングに起因する歯の折損そして歯面全体にピットが広がりそれによる振動が激しくなったために歯車運転が困難になった破壊的歯面損傷の3形態が現れた。歯車運転疲れ試験の結果、本実験では原料粉と高周波焼入条件の違いはあまりみられず、3種類の歯車ともにほぼ同じ疲れ強さであり、N_2=10^8寿命に対するその疲れ限度は歯面上のヘルツ応力で約1150MPaであった。また以前我々により研究された溶製材製高周波焼入歯車と本歯車との疲れ耐久限度は、歯面上のヘルツ応力で本歯車の方が約200MPa低かった。疲れ過程中の歯形変化と動的性能変化について、曲げによる歯の折損とピッチングに起因する歯の折損の場合、疲れ過程中の歯形変化はあまり大きくはなく、動的性能変化もあまり大きくはなかった。破壊的歯面損傷の場合も、破壊的歯面損傷が現れるまでは同様の変化であったが、破壊的歯面損傷が起こるとその影響が動的性能に現れた。
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Research Products
(1 results)