1988 Fiscal Year Annual Research Report
レーザ誘起蛍光法を用いた低密度超音速自由噴流の乱流遷移の解明
Project/Area Number |
63550139
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
益田 光治 九州大学, 総合理工学研究科, 助教授 (40038097)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 俊之 九州大学, 総合理工学研究科, 助教授 (20150922)
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Keywords | 希薄気体 / 超音速噴流 / レーザ誘起蛍光法 / 乱流遷移 |
Research Abstract |
管路内の超音速流動現象の解明は工業的に極めて重要である。この流れ場では急拡大部や弁部において超音速自由噴流が発生するが、噴流境界で発生する乱れが大きな騒音を発生し、管路系の振動、破壞を誘起する場合もある。この騒音、振動現象を明らかにするため、本研究では流れを乱さず、かつ高い時間・空間分解能が得られるレーザー誘起蛍光法(LIF法)を用い、超音速自由噴流の層流から乱流への遷移現象を調査する事を目的とする。このため、昭和63年度には低密度風洞を用いた実験的研究に着手し、オリフィス製作、LIF受光系の製作、および計算機によるデータ処理用ソフトウェアの製作を行った。本研究において現在までに得られた結果を以下に述べる。 1.風洞、および測定系に十分な防振対策を施した結果、静止気体からの蛍光信号に振動が全く観測されないレベルにまで精度を上げる事ができた。 2.蛍光信号の揺らぎを光電子増倍管により高精度で測定するためには、光電子増倍管のショット雑音をできるだけ低く抑える必要が生じた。このため、光電子増倍管への印加電圧とショット雑音との関係を詳細に調査した結果、噴流の不安定理論から予測される周波数領域(<30KHz)での高精度測定が可能な電気回路パラメータを選択する事ができた。 3.本装置で噴流の乱流から層流への遷移が明確に観測できることが分かった。また、信号をコンピュータに取り込み、噴流内部における乱れの振幅の根自乗平均の分布を得たが、その結果、乱れは噴流境界上で徐々に発達し、マッハディスク周辺部で最大値を取る事、乱れが発生するのはオリフィス出口状態に基づくレイノルズ数が4000程度である事など、これまで明かにされていなかった事実が分かった。
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[Publications] 益田光治: 衝撃工学シンポジウム講演論文集. 196-201 (1988)
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[Publications] 松本芳幸: 日本機械学会第66期全国大会講演会講演概要集. 880-6. 184-185 (1988)
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[Publications] M.Masuda.: Progress in Astronautics and Aeronautics. (1989)