1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63550158
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
斎藤 彬夫 東京工業大学, 工学部, 教授 (40020432)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大河 誠司 東京工業大学, 工学部, 助手 (60201373)
宇高 義郎 東京工業大学, 工学部, 助手 (50114856)
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Keywords | 純水 / 過冷却 / 不均質核生成 / 氷蓄熱 / 固液相変化 |
Research Abstract |
純水中に過冷却が発生・解消するメカニズムを伝熱面の材質、機械的性質、冷却速度、自然対流と関連づけて基礎的に研究した。 先ず、伝熱面表面の材質、機械的性質および冷却速度が過冷却解消温度に及ぼす影響を検討するための実験を行った。直径90φ程度の円盤状の銅製伝熱面の表面を電解研磨、バフ研磨、クロムメッキ、金メッキ、各種コーティング加工し、それらの伝熱面によって自然対流が生じないように純水を上方から、さまざまな冷却速度で冷却し、伝熱面上にデンドライト状の氷が発生する時の伝熱面過冷却度及びデンドライトの発生位置とを測定した。その場合、伝熱面過冷却度やデンドライトの発生位置は、同一面の同一冷却条件に対しても、必ずしも再現性のない統計的な値となるため、実験を繰返し行った。実験結果を統計的に整理し、過冷却解消を起こしやすい伝熱面性質を検討した。また、上記の結果の整理を行う上で、伝熱面に直接接触していない過冷却水の中から均質核生成によって氷の発生する確率を調べる必要が生じたため、四塩化炭素と油の2液界面に、直径の比較的大きい水滴を50個程度浮遊させ、下方から冷却して液滴中で過冷却が解消する時の温度を繰返し測定し、結果を確率の考え方で整理した。 次に、直径91φの金メッキをほどこした水平円筒を冷却面として用いてその周囲の純水を冷却し、円筒周囲で自然対流が起っている状態での過冷却解消温度を測定した。円筒の一部に鋭いきづを付け、氷が必ずその部分から発生するように加工した後、円筒面上のきづが重力方向に対して、さまざまな位置なるように設定して実験を行った。その結果、過冷却解消温度に及ぼす自然対流の影響は、本実験の範囲では顕著でなかった。
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