1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63550160
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
服部 賢 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (70016426)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 昌章 長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (60169117)
青木 和夫 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (60115095)
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Keywords | 氷蓄熱 / 水の凍結と融解 / 冷房 |
Research Abstract |
水-氷間に介在する凍結潜熱を利用する氷蓄熱では、水の顕熱のみに頼る水蓄熱に比べて数倍も高い蓄熱密度を得ることが可能であるが、氷の成長あるいは融解を伴う蓄熱槽の入出熱特性は明らかでない。氷蓄熱では、蓄冷時(凍結)には氷層の形成・成長による伝熱抵抗の増大が生じる。また、融解時には放冷温度が水の最大密度点を含む領域にあることから、蓄熱水の流れに逆転が発生する。これら蓄熱特性に蓄るしく影響する基本因子を明らかにする研究の初年度として以下の成果を得た。 蓄熱システムの要素技術として、槽内の基本的現象の数値シミュレイションと実験計測による解析を行ない。 1)基本的な伝熱面形状として、垂直におかれた平面の伝熱面による蓄冷(凍結)では、氷の成長にしたがって流れ状況ならびに伝熱量が時間的に変化し、初期水温が水の最大密度点(4℃)以上の場合には自然対流の発達段階、逆向き流れが支配する段階、等温凍結の3つの時期に大別される。放冷時(融解)では加熱面温度が現象を支配し、流れの状態および融解面の形状について4つのパターンに大別できる。また伝熱面温度が8℃のとき熱伝達率が最低になることが明らかになった。 2)水平円管まわりの凍結では、水の最大密度が4℃にあることに起因して、蓄熱層の下層から温度成層が生じる。空気泡の吹き込みによる強制流れを付加することによって初期伝熱量の増加ならびに水温度の均一化がはかれる。また、その方向と吹き込み量の制御によって氷形状を制御することが可能である。 これらの成果を基として、a)蓄熱水を二次側の冷却水として用いる場合の蓄熱槽の動的入出熱特性および温度成層化条件について、b)氷蓄熱槽の種々の利用条件に対する特性解析の方法、について現在検討を行なっている。
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