モンテカルロシミュレーションによる室内照度設計に関する研究

1988 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 63550216
• Research Institution: The University of Tokushima
• Principal Investigator: 長田 正義 徳島大学, 工業短期大学部, 教授 (80035609)
• Keywords: モンテカルロシミュレーション / 凹閉面室内空間 / 照度分布 / 面光源 / 間仕切り / 光子束 / 相互反射

Research Abstract

モンテカルロシミュレーションの室内照度計算への応用例として、室内が中空あるいは一枚の衝立をもち、光源としては均等点光源、直線光源および面光源を設置した無限長室内空間および中空あるいは一枚の衝立をもつ立方体室内空間における照度分布計算等を行ったが、ほぼ、その目標を達成することができた。即ち、本手法による数値実験値は従来手法による計算値とよく一致した。これらのことから、モンテカルロシミュレーションによる室内照度計算では、その利点として、特に、配光特性や壁面反射特性が多様でかつ、室内空間に間仕切りならびに衝立等が存在して凹閉面室内空間を構成する事例において認められることが、昭和63年度の研究結果から明らかになった。
しかし、室内空間が矩形室で間仕切り、衝立および庇しなどの数をさらに増加させるとともに、光源の数とその配置をより実際的なものに近づけた事例の検討が必要である。また、快適な照明環境を最小の費用で実現するために必要な光源個数と設置個所の決定などには、モンテカルロシミュレーションと線型計画画法などの最適化手法を組合せた検討が必要であり、今後も検討を行なう予定である。
なお、得られた成果の要点を以下に示す。
1.無限長室内空間
(1)光源形状が直線ならびに面光源による室内照度計算
(2)衝立を設置した凹閉面室内間における照度計算
(3)完全拡散ならびに鏡面反射特性をもつ壁面の効果
2.立方体室内空間
(1)間仕切りと衝立をもつ凹閉面室内空間の照度分布計算
(2)凹閉面室内空間における光子束の相互反射の検討

Research Products

• [Publications] Masayoshi Nagata.: Trans.I.E.E.of Japan. 108. 47 (1988)
• [Publications] 長田正義: 照明学会雑誌. 72. 596-601 (1988)
• [Publications] Masayoshi Nagata: Trans.I.E.E.of Japan. 108. 120 (1988)