1988 Fiscal Year Annual Research Report
粒状半導体薄膜の電気的光学的性質とその電子デバイスへの応用
Project/Area Number |
63550229
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
森崎 弘 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (00029167)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 洋 電気通信大学, 電気通信学部, 助手 (00134867)
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Keywords | 半導体微粒子 / 多層薄膜 / イオンビームスパッタ法 / 量子サイズ効果 |
Research Abstract |
粒状半導体薄膜の製作と評価に関して、本年度は2種類の方法を試みた。第1は、2成分系ターゲットによる同時スパッタリングで、絶縁体としてSiO_2、半導体としてSiからなるコンポジットターゲットから同時スパッタする方法を試みたが、Si含有量の少ない領域で成膜条件の製御が困難であることが明らかになった。 第2の方法として、交互スパッタリング法を試みた。この方法は、2種類のターゲットから交互にスパッタすることによって、半導体微粒子を得ようという試みで、ここではイオンビームスパッタ法によって、Si/SiO_2の繰り返し多層膜を製作し、Si膜厚を薄くしていくことによって微粒子化を試みた。作成された多層膜の組成分布はオージエ電子分光法によって測定した。Si/SiO_2界面における組成の遷移領域は、測定装置のイオンエッチの分解能である30AxD40D4よりも薄く、相互拡散の効果は無視できることが確かめられた。ラマン分光の結果によれば、Siは非晶質ないしは超微結晶状態であった。 SiO_2/Si/SiO_2積層膜についての光透過の実験から、膜厚が薄くなるにつれてSiの吸収端が短波長側にシフトすること、および、そのシフト量から計算されたバンドギャップE_Gの増加分が膜厚の2乗に逆比例する結果が得られた。3次元にとじこめられた電子系に対する量子サイズ効果の計算結果によってバンドギャップのシフト量が定量的に説明できることが明らかになった。 現在、粒状半導体の第3の製法して、アーク放電法によるSi微粒子の製作に取りかかっている所である。
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Research Products
(9 results)
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[Publications] H.Morisaki: Appl.Surface Science. 33/34. 818-825 (1988)
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[Publications] H.Morisaki: J.Electrochem.Soc.135. 381-383 (1988)
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[Publications] S.Masaki: Nucl.Inst.Meth.Phys.Res.(1989)
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[Publications] H.Morisaki: J.Electrochem.Soc.136. (1989)
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[Publications] H.Ono: Tech.Digest7th.Sensor Symp.25-28 (1988)
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[Publications] 小野洋: 電子情報通信学会技術研究報告. ED87-168. 1-6 (1988)
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[Publications] 岩瀬満雄: プレーティングとコーティング. 8. 248-251 (1988)
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[Publications] 岩瀬満雄: プレーティングとコーティング. 8. 244-247 (1988)
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[Publications] 森崎弘: 電子情報通信学会技術研究報告. ED88-151. 1-6 (1989)