1988 Fiscal Year Annual Research Report
基板バイアス法を用いたECR放電による立方晶BN膜の応用
Project/Area Number |
63550237
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
大坂 之雄 広島大学, 工学部, 教授 (30006217)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井村 健 広島大学, 工学部, 助教授 (90029223)
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Keywords | 立方晶BN / ECR放電 / 硬度材料 |
Research Abstract |
本研究の目的は、基板バイアス効果を用いたECR(Eloctron Cycltoron Resonance)放電で単結晶Si上への形成に成功した立方晶BN膜の応用である。本年度行った研究実績を以下に示す。 1.単結晶Si上へのBバッファー層形成による附着力の増大 立方晶BN膜は、単結晶Si上に形成されるが、この結晶間の大きい格子不整合により長時間放置すると立方晶BN膜の剥離が生じる。この欠点を改良するためにECR放電の初期に約50A^Uの厚のB膜を形成し、その後N_2ガスを導入し立方晶BN膜を形成した。その結果、BN膜のSi上への附着力は向上し、長時間放置でも膜の剥離が生じなくなった。応力測定により、上記のバッファー層B膜の使用によりBN膜の圧縮性応力が一桁減小することが認められた。 2.ダイヤモンド基板への立方晶BN形成への基礎研究 ダイヤモンド基板への立方晶BN膜の形成は立方晶BNの硬度が大きいこととダイヤモンドと異り鉄属金属の反応性が弱く、超微細精密加工用材料としてもっとも有望な技術である。この基礎研究として、まずダイヤモンド基板の清浄化が必要である。ダイヤモンド基板の清浄化としては、基盤バイアス法を用いた水素ガスによる基板エッチングが最も効果的のことが見出された。この処理後の、ダイヤモンド基板への立方晶BN形成を現在行っている。 3.立方晶BN形成への放電ガスの効果 2の研究より、いままではAr+B_2H_6+N_2の混合ガスの放電でBN膜を形成したが、H_2ガスの混合でのBN膜形成の研究が必要であった。基板バイアスを最適化して、H_2ガスをArの60%位にしても立方晶BNの形成が認められた。
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