1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63550259
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
森 真作 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (00051269)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笹瀬 巌 慶應義塾大学, 理工学部, 助手 (00187139)
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Keywords | 相互変調雑音 / SCPCシステム / 衛星放送 / 自動車電話 / 周波数分割多重 |
Research Abstract |
多重衛星通信システムにおいて相互変調雑音の影響を低減する回線設計手法として、以下に述べるような非常に有効な手段を提案しその有効性を明らかにすることができた。 衛星通信システムは衛星放送、或は衛星を利用した自動車電話等、大きな注目を集めている。衛星通信システムにおいて周波数分割多重化を行うと衛星中継器の非線形性により相互変調雑音(IM)が発生しチャンネル容量を大きく制限されるという問題がある。しかしながら、多重度の大きいシステムに於けるIMの低減策は極めて重要な問題でありながら、具体的解決策は未だ提案されていない。そこで、我々は周波数分割多重化衛星通信システム(衛星SCPCシステム)におけるIMの影響を低減する方法としてチャネルスロットをブロック分割化したスロット周波数設定法を提案し、そのIM改善特性を求めた。このチャネルスロット設定法は等間隔に設定されたキャリアスロットを複数のブロックに分割し各ブロック間に周波数間隙を設けることにより、IMとキャリアスロットの中心周波数にずれを生じさせ、IMの影響の改善を図るものである。すべてのスロットにキャリアが満たされた多重度の高い場合に最もIMの影響を強くうけるチャネルに着目し、IM改善度の上界と最適分割割合、更に、ディジタル変調方式における、IM改善度と周波数間隙量の関係を求め、帯域の増加度とIM改善度の関係について考察した。更に、種々のシステムに対応できるようにマルチレベルSCPCシステムにおける電力の最適配置の検討も行なった。その結果、本ブロック分割スロット設定法はすべてのスロットが満たされた場合においても等間隔設定法に比べわずかな帯域の増加でIM量を改善できるという大変興味深いことが示され、多重化衛星通信システムの回線設計に非常に有効なものであるといえる。これらの研究は昨年11月に行われた国際会議(ICCS'88)において発表し大きな反響を得た。更に、IEEE Transaction on Communications にも投稿中である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 八嶋弘幸: 電子情報通信学会技術研究報告. SAT87ー64. 1-6 (1988)
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[Publications] H.Yashima: 情報理論とその応用シンポジウム(SITA'87). Vol.2. 839-844 (1987)
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[Publications] 八嶋弘幸: 電子情報通信学会春季全国大会. (1988)
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[Publications] 八嶋弘幸: 電子情報通信学会論文誌. J71ーB. 755-763 (1988)
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[Publications] H.Yashima: IEEE International Conference on Communication Systems. Vol.1. 312-316 (1988)
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[Publications] H.Yashima: IEEE Transactions on Communications. (1989)