1988 Fiscal Year Annual Research Report
ミリ波集積回路のための単一平面構造導波路の設計法と電力漏洩現象に関する基礎的研究
Project/Area Number |
63550261
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
繁沢 宏 同志社大学, 工学部, 教授 (10066251)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻 幹男 同志社大学, 工学部, 助教授 (50148376)
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Keywords | 単一平面構造導波路 / スロットライン / コプレーナ線路 / 電力漏洩現象 / 複素波伝搬 |
Research Abstract |
ミリ波集積回路のための単一平面構造導波路として有望視されるものにスロットラインおよびコプレーナ線路がある。いずけも誘電体基板の一つの面上にて回路が構成できるので超高周波帯で用いられつつある。しかし、実用に際しては基板保持、補強のためなどの必要性から、誘電体基板の他の面に導体板を設けたり、導体ボックスで遮断構造にするのが通常である。 本研究においては、このような構造においてはこれまで予期されなかった不都合、つまり導波路構成条件により伝搬モードが電力漏洩をともなう複素波になり、回路設計上極めて憂慮される問題を招く事実を発見した。そこでこの問題を明確にすることが本課題の目的達成への近道と考え、本年度は複素波伝搬にかかわる問題を中心に、理論的、実験的に詳しく検討を加えた。その結果、得られた新しい知見、成果の一部は以下のように要約できる。ある導波路が漏洩現象を呈するには、 (1)構造が2つの導波構造の摂動構造となっていること、そして (2)摂動前の構造と考えられる2種類の導波路の一方には本来漏洩をともなわない実固有値の伝送モードが存在すること、また他方の導波路には漏洩をともなう複素波が存在しうることが必要不可欠である。 このことを念頭において、スロットラインとコプレーナ線路に導体基板を導入した場合の分散特性を検討した結果、前者においては位相定数を周波数とともにいったん減少し、その後増加するのに反し、後者では単調に増加すること、また確かに漏洩が生じ、それによる減衰定数は前者では単調に減少するのに対して、後者では一定値に向かって増加していくことが理論的にも実験的にも明確にできた。この考えによると異方性誘電体基板を用いるマイクロストリップ線路にも予期せぬ漏洩現象が現れることにもなり、今後の重要な検討課題となろう。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Hiroshi Shigesawa.: 1988 IEEE/MTT-S International Microwave Symposium Digest. 1. 199-202 (1988)
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[Publications] Hiroshi Shigesawa.: IEEE Transactions on Microwave Theory and Techniques. 37. 3-14 (1989)
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[Publications] Hiroshi Shigesawa.: IEEE Transactions on Microwave Theory and Techniques. 37. (1989)
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[Publications] Hiroshi Shigesawa.: 1989 IEEE/MTT-S International Microwave Symposium Digest. (1989)
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[Publications] Mikio Tsuji.: 1989 IEEE/MTT-S International Microwave Symposium Digest. (1989)
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[Publications] Hiroshi Shigesawa.: Proceedings of URSI Symposium on Electromagnetic Theory. (1989)