1988 Fiscal Year Annual Research Report
太陽黒点最小期における中波夜間近距離伝搬に及ぼすEs層の影響
Project/Area Number |
63550289
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
満保 正喜 金沢大学, 工学部, 教授 (90019696)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
香川 幸雄 石川工業高等専門学校電気工学科, 助教授 (60042933)
長野 勇 金沢大学, 工学部, 教授 (50019775)
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Keywords | 中波 / 電界強度 / 近距離伝搬 / 測定 / 国際参照電離P(IRI) / full wave計算 / スポラディックEP / 到来方向探知機 |
Research Abstract |
報告者らは、1981年に中波放送受信機を試作し、120〜250Kmの近距離にある中波の夜間波を入射面内にあるループアンテナで3波を1984年迄受信した。そして、国際参照電離PIRI-79モデルにfull wave計算を施して、理論電界強度を求めた所、IRI-79バスポラディックE(Es)Pを加味しないと、観測値に合わないことが分った。そこで、もっと多くの放送波を受信できるよう、垂直ダイポールアンテナにより、1986年から国内の10Kw局20波を受信して来た。この中、太陽黒点最小期の質料を解析して、次のような知見を得た。金沢から700〜800Kmにある中波放送局の中、低い周波数、例えば747KHz(北海道の札幌にあるNHK第2)は、高い周波数の1440KHz(札幌テレビ)に比べ16dB高くなっている。IRI-86モデルの高度86〜91Kmの部分に電子密度勾配が緩やかになった「棚」が存在する。1440KHzはEF領域で反射されることなくFP反射であるのに対し、747KHzのEF反射は、この棚の部分でかなり減衰を受けるので、FP反射と合成しても、1440KHz波に対して、わづか4・5dB高くなるのに過ぎない。この棚をなくし、IRI-86モデルのEF下部を指数電子密度分布にすると、747KHzが棚の影響による減衰がなくなり、747KHz波は1440KHzに比べ、14dB高くなり、又、この棚のないモデルの計算速度は観測値に対して、それぞれ、1.5dB、2・2dB低くなるのに過ぎず、IRI-86モデルで棚をなくすべきであるという結論を得た。 又、EP、EF領域からの中波放送波の反射を確める目的で、垂直アンテナと直交ループアンテナによる到来方向探知機を試作した。この観測によると、EP、FPからの到来方向が安定に受信される場合もあるが、もっと、いろいろの方向から到来する傾向を見せ、その方向変動が、かなり変動する場合もある。今後これらを確めたい。
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[Publications] 山田秀章,香川幸雄,満保正喜,深見哲男,長野勇,森田晃一郎: 昭和63年度電気関係学会北陸支部連合大会. 228 (1988)
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[Publications] T.Fukami;H.johda;H.Mambo;Y.Kagawa;I.Nagano: to be published International Symposium of Anteuna and Propagation 1989.