1988 Fiscal Year Annual Research Report
2段活性層型GaInAsP/InP動的単一モードレーザの研究
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63550295
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
岸野 克巳 上智大学, 理工学部, 助教授 (90134824)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 和 上智大学, 理工学部, 助手 (70204568)
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Keywords | 二段活性層構造 / トンネル接合 / 回折格子 / 高光出力 / DFBレーザ / 高効率 / 光通信用レーザ |
Research Abstract |
1)本年度は、まず回折格子を持たないGaInAsP/InP系の二段活性層型レーザを試作することを、一つの研究目標とした。第一段階として、p及びn型不純物濃度を変化させながら、GaInAsPとInP間のトンネル接合ダイオードを作製して接合特性を詳細に調べ、電圧降下の小さなトンネル接合不純物濃度条件を把握した。続いて、二段活性層型のGaInAsP/InPレーザの試作を行った。ここでは各活性層やGaInAsPトンネル接合層の層厚、および活性層とトンネル接合層間の内部クラッド層の厚さを規定の値に制御しつつ、二つのレーザをトンネル接合で接続するための結晶成長条件を確立した。特に高濃度のn型InPトンネル層を上段のレーザのn型InPクラッド層と別に設けることで、レーザ特性を劣化させることなく、二段にレーザを接続できることが分かった。 2)試作した二段活性層型レーザの特性を室温パルス動作下で評価した発振しきい値電流密度の平均値は、通常の一段のDHレーザと比べて差がなく、それぞれ2.5KA/cm^2、及び2.6KA/cm^2であり、二段活性層型レーザの最低しきい値電流密度は1.7KA/cm^2であった。さらに、電流ー電圧特性の立ち上がり電圧および傾きはウエハー内でばらつきはなく一様で、一段のDHレーザの二倍の電圧値とトンネル接合単独での電圧降下の和が二段活性層型レーザの電圧降下にほぼ一致した。さらに、近視野像の観測でも両方の活性層からの発光が確認され、二段活性層構造の二つのDHレーザがトンネル接合を介して導通していることが確かめられた。二段活性層型DFBレーザの基礎的作製条件を把握した。 3)閉じ込め係数と回折格子の結合係数の関係にもとづいて、DFBレーザの発振条件の解析を行い、基本横モードで動作させるための導波路パラメータの設計領域を明らかにした。
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