VLSIに基づくロボットエレクトロニクスの体系化に関する研究

1989 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 63550297
• Research Institution: Tohoku University
• Principal Investigator: 亀山 充隆 東北大学, 工学部, 助教授 (70124568)
• Keywords: VISLプロセッサ / ロボットエレクトロニクス / 演算遅れ時間最小 / 並列処理 / 座標変換プロセッサ / 画像確認プロセッサ / 障害物回避プロセッサ / ニュ-ラルネットワ-ク

Research Abstract

自律的動作を目指した知能ロボット実現のためには、多種多様な処理が必要とされると共に、センサフィ-ドバックなどが多い。したがって、実時間処理を可能にするためにはロボットシステムの各処理の演算遅れ時間を出来るだけ小さくすることが重要である。本研究では、以上のような観点から演算遅れ時間最小化を指向したVLSI向きハ-ドウェエアルゴリズムおよびそのVLSIプロセッサア-キテクチャについて考察し、種々の実例を通してその有用性を明らかにすることができた。以下に主な成果を列挙する。
1.計算量の少ないハ-ドウェアアルゴリズム演算遅れ時間最小化の直接的方法は計算量を減少させるアルゴリズムの考案である。一例として座標変換プロセッサは、座標の回転移動という基本演算を連続的に使用することにより従来の汎用マイクロプロセッサ処理の20倍以上の高性能化を達成できることが実際のLSI化により明らかになった。2.高並列処理ア-キテクチャデ-タ依存グラフの並列性を最大限利用するため、並列に備えられた演算器あるいはサブプロセッサユニット出力を適当な結合回路綱を用いて、滞在時間が極力小さくなるデ-タフロ-制御に基づき次々と接続していく。ディジタルサ-ボ用行列演算プロセッサ、逆動力力学演算プロセッサ、チェインコ-ドマッチングに基づく画像確認プロセッサ、さらに障害物回避プロセッサなどの並列処理ア-キテクチャを具体的に提案することができた。3.最適解の保障されるニュ-ラルネットワ-クセル機能として積和演算出力を有する離散時間ニュ-ラルネットワ-クを考案することにより、2乗誤差関数など評価関数の最小化を行う高並列ハ-ドウェア構成を示し、連立一次方程式の高速求解に有用である超高並列VLSIシステムを提案している。

Research Products

• [Publications] 亀山充隆: "ロボットとVLSIコンピュ-タ" 日本ロボット学会誌. 6. 332-338 (1988)
• [Publications] 松本孝夫: "ロボット制御用CORDIC LSIの設計" 昭和63年度電気関係学会東北支部連合大会講演論文集. 22 (1988)
• [Publications] 阿曽雅之: "2次元チェイン符号に基づく3次元物体確認" 昭和63年度電気関係学会東北支部連合大会講演論文集. 46 (1988)
• [Publications] 三浦真樹: "連立1次方程式のための並列セル構造ハ-ドウェアアルゴリズム" 昭和63年度電気関係学会東北支部連合大会講演論文集. 66 (1988)
• [Publications] 菊地英男: "チェイン符号マッチングに基づく画像確認用プロセッサの構成" 昭和63年電子情報通信学会秋季全国大会講演論文集. D-1-219 (1988)
• [Publications] 伊藤和子: "ロボットマニピュレ-タ障害物回避プロセッサによる多次元空間での径路探索" 第6回日本ロボット学会学術講演会予稿集. 225-226 (1988)
• [Publications] 菊地英夫: "チェイン符号マッチングに基づく画像認識VLSIプロセッサの構成" 第6回日本ロボット学会学術講演会予稿集. 563-564 (1988)
• [Publications] 亀山充隆: "演算遅れ時間最小化に着目したロボット用VLSIプロセッサのア-キテクチャ" 電子情報通信学会技術研究報告. ICD88-107. 23-29 (1988)
• [Publications] 松本孝夫: "ロボット制御用座標変換LSIの試作" 平成元年電子情報通信学会春季全国大会講演論文集. 5-267 (1989)
• [Publications] 阿曽雅之: "2次元チェイン符号にマッチングに基づく3次元物体の確認" 平成元年電子情報通信学会春季全国大会講演論文集. 6-288 (1989)
• [Publications] 三浦真樹: "連立1次方程式の最適解が保証されるニュ-ラルネットワ-ク" 平成元年電子情報通信学会春季全国大会講演論文集. 7-1 (1989)
• [Publications] Michitaka Kameyama: "Implementation of a High Performance LSI for Inverse Kinematics Computation" Proceedings of the 1989 IEEE Interrational Conference on Robotics and Automation. 757-762 (1989)
• [Publications] 釜啓輔: "ロボットビジョン用並列三次元計測システム" 計測自動制御学会東北支部創立25周年記念学術講演会論文集. 80-81 (1989)
• [Publications] 阿曽雅之: "高速3次元物体確認用2次元チェイン符号マッチング" 第28回計測自動制御学会学術講演解予稿集. 55-56 (1989)
• [Publications] 三浦真樹: "離散時間ニュ-ラルネットワ-クに基づく連立一次元方程式の求解" 第28回計測自動制御学会学術講演解予稿集. 401-402 (1989)
• [Publications] 釜啓輔: "マルチスボット光を用いた並列三次元計測" 平成元年度電気関係学会東北支部連合大会講演論文集. 50 (1989)
• [Publications] Somchai Kittichaikoonkit: "演算遅れ時間最小形ロボット専用プロセッサのア-キテクチャ" 平成元年度電気関係学会東北支部連合大会講演論文集. 88 (1989)
• [Publications] 大輪寧司: "座標変換LSIを用いたロボットマニピュレ-タ障害物回避プロセッサの構成" 平成元年度電気関係学会東北支部連合大会講演論文集. 91 (1989)
• [Publications] 松本孝夫: "座標変換LSIを用いたロボットマニピュレ-タ並列干渉チェックプロセッサの構成" 第7回日本ロボット学会学術講演会予稿集. (1989)
• [Publications] 三浦真樹: "離散時間ニュ-ラルネットワ-クに基づく連立一次元方程式求解並列処理システム" 電子情報通信学会技術研究報告. ICD89-147. 23-30 (1989)
• [Publications] Somchai Kittichaikoonkit: "演算遅れ時間最小形行列演算VLSIア-キテクチャとロボット制御への応用" 1990年電子情報通信学会春季全国大会講演論文集. 6-127 (1990)
• [Publications] 亀山充隆: "知能ロボットとス-パ-チップ" 日本ロボット学会誌. 8. 120-122 (1990)