1990 Fiscal Year Annual Research Report
むだ時間システムの制御理論と設計法の体系化に関する研究
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63550298
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
渡部 慶二 山形大学, 工学部, 教授 (50007027)
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Keywords | むだ時間システム / 中立型むだ時間系 / 有限極配置 / 繰返し制御 |
Research Abstract |
1.状態にむだ時間をもつシステムの有限極配置問題の解法に直接法と間接法がある。閉ル-プ系の特性多項式は,|SIーA(z)ーb(z)F(z,s)|=|SIーA(z)|ーF(z,s)adj(SIーA(z)b(z)であり,|SIーA(z)|=S^n+α_1S^<nー1>+‥+α_nのとき,K(z,s)adj(SIーA(z))b(z)=V(s)(V(s)=[1,S,‥,S^<nー1>]^T)をみたす有限ラプラス変換上の行列K(z,s)を求め,F(z,s)=〔α_nーβ_n,‥,α_1ーβ_1〕K(z,s)とおくのが直接法である。adj(SIーA(z))b(z)=P(s)V(z)=M(z)V(s)の関係と(z)の構造を利用し,より簡単にF(z,s)を求める方法を与えた。 2.間接法は,まず,F(z)=[α_nーβ_n,‥,α_1ーβ_1]M^<ー1>(z)を計算し,これを実行可能な有限ラプラス変換を含むF(z,s)に変換する方法である。1入力系に対しM(z)の構造を利用して組織的に求める方法を確立した。さらに多入力系に対してはスミス形式を利用してF(z,s)に変換する方法を構築した。 3.状態変数の微分の時間遅れを含むシステム(中立型むだ時間系)の有限極配置問題を二つのステップで解く方法を確立した。第1ステップで,状態変数の微分遅れを含むフィ-ドバッグで疑似的に状態変数に時間遅れのある系に変換する。第2ステップでその疑似状態遅れ系に上記で確立した有限極配置法を適用し,第1,2ステップの制御則の和が中立型むだ時間系の制御則となる。有限極配置可能なための必要十分条件を与え,制御則を求めるアルゴリズムを作った。 4.有限極配置法を,周期目標入力に高精度で追従できる繰返し制御系の設計に応用し良好な特性が得られた。 5.現在,3年間の研究のまとめを行っている。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 渡部 慶二: "むだ時間をもつ多変換数系の有限極配置ー有理関数から有限ラプラス変換行列へのSmith Formの構造を利用した変換" 計測自動制御学会論文集. 26. 389-396 (1990)
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[Publications] K.Watanabe,T.Ouch and M.Nakatuyama: "Finite Spectrum Assignment of TimeーDelay Systems ーA Simplified Procedure" Preprints 11 th IFAC World Congress(Tallinn). 2. 138-143 (1990)
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[Publications] K.Watanabe and K.Yamada: "Repetitive Control of TimeーDelay Systems" Proceedings of the 29 th IEEE Conference on Decision and Control. 3. 1685-1690 (1990)
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[Publications] K.Watanabe,K.Yamada and T.Okuyama: "Finite Spectrum Assignment of Neutral Delay Systems" International Symposium on the Mathematical Theory of Networks and Systems. (1991)