1988 Fiscal Year Annual Research Report
スイッチング制御理論の展開とそのパワーエレクトロニクス制御への応用
Project/Area Number |
63550305
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
松尾 強 名古屋大学, 工学部, 助教授 (40023163)
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Keywords | スイッチング制御 / 微分線形表現系 / 誘導加熱 / パワーエレクトロニックス / 非線形系制御系 / 位相検出器 / 電圧制御発振器 / 可制御条件 |
Research Abstract |
1.理論の展開 申請者は、これまでに微分線形表現系が『スイッチング素子と集中定数素子と電源により構成される回路を含む一般の非線形系の記述』に適している事を示してきた。本年度は次の場合の検討を行った。 (1)微分線形表現系の状態変数の線形関数によるスイッチング制御系の制御可能条件を検討した。部分的な代数条件は得られているが最終的な制御可能条件は未だ得られていない。 (2)共振負荷の制御対象に対し、位相検出器(PLL)および電圧制御発振器(VCO)によるフィードバックでインバータを駆動する制御系に対する解析を行ない、購入したパーソナルコンピュータおよびソフトウエアを使用してシミュレーションを行った。その結果、短形波繰り返し入力に対する共振回路特性を与える公式が得られた。それは正弦波入力に対する特性と異なっている事が判明した。また、この種の制御系の各種の設計指針が得られた。 2.加熱制御系の試作 申請者が従来から提唱している微分線形表現系をもとにして、2MHZのMOS-FETインバータによる誘導加熱系の試作を行った。インバータ動作周波数と負荷の直列共振回路の共振周波数のずれは、位相検出器により検出し、これを積分器を通して電圧制御発振器に与え、それによりインバータを駆動した。制御系は予期通りに動作し良好な結果が得られた。実験により得られた知見としては制御動作開始の周波数としては、共振周波数よりも高い周波数から行なう事がある。これは繰り返し型短形波入力による共振回路の特性公式から理解できる結論である。今のところ、動作周波数を3MHZまで高める事に努力している。
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[Publications] 金周弘: 電気学会論文誌D. 107ーD. 1347-1354 (1988)
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[Publications] Tsuyoshi MATSUO: Seminar of US-JAPAN Cooperetive Research program "Algebraic System Theory and its Applications". (1988)
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[Publications] 松尾強: 計測自動制御学会論文集. (1989)