1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63550306
|
Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
鈴村 宣夫 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (10023102)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀場 勇夫 名城大学, 理工学部, 講師 (60199560)
岩田 彰 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (10093098)
石井 直宏 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (50004619)
|
Keywords | X線多軌道断層装置 / デジタル多断層法 / 逆フィルタ法 / 逆投影 |
Research Abstract |
X線多軌道断層装置の検出器をディジタル化することによって得られる多方向からの投影像を走査軌跡に従って再構成空間に埋め戻す逆投影処理を行うことにより、一回の走査によって得られた投影像から被検査体の多くの断面を再構成することができる。本研究では、得られた投影像をそのまま逆投影することにより求めた単純逆投影像から、逆フィルタの手法を用いて被検査体の3次元再構成を行う手法について検討した。その結果これまでに、逆フィルタ伝達関数は単純逆投影処理のインパルスレスポンスの回転中心軸周りの対称性を利用して解析的に導出できること、また、投影像群に含まれる被検査体情報の不完全性を投影断面定理に基づいて明らかにし、被検査体の空間周波数成分のうち投影像群には含まれていない空間周波数領域については逆フィルタ伝達関数を零にすることによって、逆フィルタ処理によるアーチファクトの発生を抑えることができることを明らかにした。さらに、X線多軌道断層装置によって実際にファントムの撮影を行って得られた投影像に、このアルゴリズムを適用し再構成を行った結果、良好な再構成像を得ることができ、本手法の有効性を明らかにした。 来年度は、コーンビーム投影・平行ビーム逆投影によって生じる再構成像の幾何学的歪の修復手法、および、X線検出器としてX線蛍光増倍管(イメージインテンシファイア、XII)を用いることによって生じる歪の修復手法について検討する。また、多軌道X線断層法において円軌道とともに用いられることの多い直線軌道による断層法の障害陰影補正のためのの逆フィルタを検討する予定である。
|