1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63550326
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
平山 次清 横浜国立大学, 工学部, 助教授 (00018061)
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Keywords | 船体運動 / 不規則波 / スペクトル / 方向スペクトル |
Research Abstract |
海洋波の実態を定量的に把握する事は、船舶、海洋構造物等の浮体の設計・運用にとって基本的に重要であることは論を待たず、また異常海難防止といった観点からは緊急を要する課題である。しかしながら従来の測器による波浪観測方法は静止中の船体あるいは浮体により波浪を推定する方法であり、特に船舶も含めて航走中の浮体において測器計測することは非常に難しく現在でも目視観測に頼っているのが実情である。 そこで本研究では近年進歩の著しいマイクロコンピュータを導入し船載型波浪計測装置の新しい手法として、航走中の船体または浮体の運動を自から計測する事によって逆に船体に対するインプットとしての2次元不規則波をリアルタイムに、かつ統計的に安定して推定しうる手法を考察し、シミュレーション等の手法により確認する事を目的としている。 本年度は先ず前半に航走中の浮体運動に基づく波スペクトルの逆算手法について考察し、またその問題点について具体的に明らかにした。特に航走中は出会い周波数と絶対周波数との関係が多価関数となる問題があるため追波中では特に留意した。 次に、後半では理論計算による多方向不規則波中の船体運動を計算し、波浪スペクトルの推定をいくつかの方法で行ってみて、与えられたスペクトルを統計的に安定して再現しうるかどうか、どのようなモードを使った推定方法が良いか等について検討した。 また実験水槽において実験を行い前述の解析方法の検討を行う場合造波機による2次元波のスペクトルを精度良く求める必要がある。従ってこの点についても専用処理装置により検討を開始し解析用のプログラムについても検討を行った。
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