1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63550338
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松井 繁之 大阪大学, 工学部, 助教授 (70029271)
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Keywords | 道路橋床版 / 疲労設計法 / 輪荷重走行試験機 / SーN曲線 / 輪荷重測定 / ひびわれの開閉 / 輪荷重頻度分布 |
Research Abstract |
本研究は、道路橋RC床版に対して、コンクリートのせん断耐力あるいはせん断応力度に立脚した疲労設計法を試案することを目的とする。 本年度はこのための基礎として、(1)既往の走行荷重による疲労実験データの分析整理と、(2)外力である自動車輪荷重の頻度分布特性を定式化する、の2点で研究を進めた。各々の具体的成果は次のとおりである。 (1)本研究者が実施した実物大床版の輪荷重走行試験機による疲労実験データと、大阪市立大学の園田教授が行った小型供試体による同類の結果を比較検討し、次式に示すSーN曲線が疲労設計用の合理的なSーN曲線と結論できた。 log(P/Psx)=-0.0844logN+log1.657 ここに、P:作用輪荷重 Psx:幅{b(輪荷重の接地長)+2d_d(配力鉄筋の有効高さ)}の主鉄筋断面梁のせん断破壊強度 次年度に各種寸法の床版について基本疲労強度を計算する基礎となる。 (2)自動車の輪荷重に関して、正確かつ充分なデータが少ない。そのため、本研究者は実橋を利用して簡易にかつ、正確に測定する方法を開発した。すなわち、車両進行方向に直角な方向に発生したひびわれ(主鉄筋方向のひびわれ)の開閉が、最も輪荷重に敏感に対応することに着眼し、数個のひびわれ計にて測定することによって、車両の輪荷重とともに通行位置も推定できる方法を確立した。本方法によって、本年度は都市内の一般道、名神高速道路、混入率の高い一般国道の3種について各24時間づつの測定を実施した。実測記録を大型計算機、パソコンを用いて分析し、車種別の輪荷重頻度分布を得た。 次年度も測定を行い、輪荷重頻度分布を明確し、設計用荷重体系を作成したい。
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