1990 Fiscal Year Annual Research Report
カルマンフィルター理論によるRC構造物の劣化剛性の評価
Project/Area Number |
63550351
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
田辺 忠顕 名古屋大学, 工学部, 教授 (50144118)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二羽 淳一郎 名古屋大学, 工学部, 助教授 (60164638)
加藤 雅史 名古屋大学, 工学部, 助教授 (50115549)
梅原 秀哲 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (70151933)
|
Keywords | カルマンフィルタ- / 格子桁橋 / RC立体フレ-ム実験 / 剛性推定 / 1次系 / 2次系 |
Research Abstract |
本年度は、研究の最終年度であった為に、実構造物の実験はいささか大変であったが、北陸地方福井県のU橋について振動実験を行った。U橋は5本のPC主桁に3本の横桁を有する格子桁橋である。最初は交付申請書でも述べたようにトラックの走行時の加速度を測定する予定であったが、簡便に衝撃を与えることの出来かつ衝撃力をモニタ-できる装置を開発したのでそれによって、格子の各点に一定の衝撃力を与えその度ごとに他の各点において加速度を測定した。次に、すでに開発されていたカルマンフィルタ-により、得られたデ-タごとに橋梁の固有振動数、減衰定数の同定を行った。同定はまず一次モ-ドを同定した後に2じモ-ドを同定するというように順次モ-ド次数を上げていくようにした。その結果判明したことは、デ-タによってより上位の次数まで同定できる場合もあるが、そうでない場合も数多くあったことである。しかしいずれのデ-タからも衝撃荷重から極く簡単に1次の振動数ならびに減衰定数を求める事ができた。次に、局部的な剛性を同定するために構造物を1次系、2次系に任意にわけてそれらの境界の応答の観測結果から1次系の剛性を推定するカルマンフィルタ-を導いた。数値解析によって5階だてのビルヂング構造の応答デ-タを作成し、1次系、2次系の境界のおける応答デ-タから1次系の剛性を求めたところ良好な結果を得た。 現在これらの結界から(1)カルマンフィルタ-の構築理論、(2)RC立体フレ-ム実験による剛性劣化実験と剛性の同定、(3)実橋による実測とカルマンフィルタ-の応用と言う事で報告書をまとめている。
|
-
[Publications] Tadaーaki TANABE: "The Identification of Eigen Vectors from Vibration Test Data for Dyanamic Analysis of RC Structures" Proc.EASECー1 Bangkok. 1840-1847 (1986)
-
[Publications] 田辺 忠顕: "RC構造物の振動パラメ-タ-同定に関する基礎的研究" JCI年次論文報告集. 10. 485-490 (1988)
-
[Publications] Tadaーaki Tanabe: "Study on the Identification of Dynamic Response Parameters of Structures" Proc.of Int.Conf.on Highrise Building,Nanjing. 499-504 (1989)
-
[Publications] Tadaーaki TANABE: "A Study on the Identification of Dynamic Characteristics of a Reinforced Concrete Bridge by Kalman Filter Theory" JCI年次論文報告集. (1991)
-
[Publications] Tadaーaki TANABE: "Application of Kalman Filter to Modal Parameter Identification of a Reinforced Concrete Bridge" Proc.of Int.Conf.on Concrete Engineering,Nanjing. (1991)