1988 Fiscal Year Annual Research Report
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63550363
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
柴田 徹 京都大学, 防災研究所, 教授 (20027212)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三村 衛 京都大学, 防災研究所, 助手 (00166109)
関口 秀雄 京都大学, 防災研究所, 助教授 (20027296)
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Keywords | 側方流動 / 土量比 / 載荷速度 / 弾粘塑性構成式 / 部分排水 / レオロジー試験盛土 / 沈下 |
Research Abstract |
土木構造物の大型化が進むにしたがい、対象となる地盤も益々広域化する傾向にある。特に破壊に大きく寄与する地盤の側方流動については、基盤の傾斜、起伏といった地質条件や三次元効果などを考慮した予測法の確立が必要であるが、現在のところ、全幅の信頼をもって設計に供し得るような挙動手法はみあたらない。 そこでまず、側方流動のパターンをその堆積環境に基づく地層構成ごとに整理した。代表的な軟弱地盤として、泥炭性有機質土地盤があげられる。このタイプの地盤は、構造物建設に伴い大きな沈下、側方流動を生じるため、動態観測施工が非常に威力を発揮する例といえよう。道路公団幸田試験盛土、アメリカ・ミシシッピ河畔のアチャファラヤ堤防などがこのタイプの地盤にあたる。一方、表層に強い過圧密粘土(クラスト)が存在する。アメリカポーツマス試験盛土では、盛土圧の増加に伴う地盤剛性の低下がほとんど認められず、明瞭な前兆を示さないまま破壊に至ったことが報告されており、泥炭性軟弱地盤の場合と対照的である。このように、地層構成の地域特性により、側方流動の発生パターンに大きな差があることを地球規模で明らかにした。次に、こうした地盤の変形を数値解析的に評価しようとする試みも併せて行なった。一般に局部載荷を受ける軟弱地盤は、圧密とせん断が併せて進行する、いわゆる部分排水条件下で変形する。そこで、理想均質モデル地盤に対して、弾・粘塑性有限要素解析を行ない。側方流動土量と沈下土量の比として定義される土量比と無次元載荷速度(載荷速度と水圧消散時間の積)との関係から、地盤の部分排水度を定量的に評価できることを示した。これにより、軟弱粘土地盤の側方流動のメカニズムを正確に把握することが可能である。実例として、アチャファラヤ堤防における実測結果をこの方法で再整理し、その有効性を示した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 関口秀雄: 防災研究所年報. 31ーB2. 123-145 (1988)
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[Publications] 関口秀雄: 土と基礎. 36ー6. 25-30 (1988)
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[Publications] Hideo Sekiguchi: Proc.International Conference on Rheology and Soil Mechanics. 1. 164-181 (1988)
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[Publications] 三村衛: 第24回土質工学研究発表会構演概要集. (1989)
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[Publications] 三村衛: 第24回土質工学研究発表会講演要集. (1989)