1988 Fiscal Year Final Research Report Summary
沿岸海域制抑のための沖合消波堤の平面的な配置法に関する研究
Project/Area Number |
63550376
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Hydraulic engineering
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
中村 孝幸 愛媛大学, 工学部, 助教授 (60108404)
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Project Period (FY) |
1988 – 1989
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Keywords | 沖合消波堤 / 波高分布 / グリーン関数法 / 多列式堤体 / 波浪共振 / 共振装置型堤体構造物 |
Research Abstract |
本研究は、沖合消波堤の配置計画等に当たり重要となる堤体まわりの平面的な波高分布の特性やその推定法などについて明らかにしたもので具体的には、以下に示す2つの項目に大別して検討を進めた。 1.単体配置された堤体構造物まわりの波高分布の特性とその推定法3次元の任意形状物体まわりの波浪ポテンシャルの問題の数値解析法をグリーン関数法に基づき開発した。この際、構造物の対面称性を利用して、計算機容量や計算時間を従来のものに比較して1/4〜1/2に節約できる効率的な算定法を究明した。そしてこの解析法により、各種の堤体長のカーテン防波堤まわりの波高分布の算定を行い、水理実験結果との比較も併せて、波高分布に及ぼす堤体長や波の入射角の効果などを検討した。この結果、堤体長が入射波の波長の5倍程度以下では、堤体端部よりの回りの波の効果が顕著に現れるようになることやこのような特性を予測するのに上記の解析法が有効なものであることなどが判明した。 2.多列配置された堤体構造物まわりの波高分布の特性とその推定法上記の数値解析法を無限配列された堤体群にも適用できるように拡張した。そして、この解析法を用いて各種の多列式の堤体群まわりの波高分布の特性や消波効果を向上させるための堤体の配置法ならびに堤体の平面形状などについて検討した。この結果、堤体の配列方向には、波長と隣接する堤体の中心間距離とに関係して波浪の共振現象が発生することやこの共振現象の出現を境にして波高分布は急変することなどが判明した。特に最も低付の波浪共振点は、その前後で1次的な波変形から斜波成分の卓越する2次元的なそれへと遷移するなど消波効果を検討する上で重要となる。また、堤体の平面形状として、内水域を有する共振装置型のものを採用することにより、消波効果を大幅に改善できることなども判明した。
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[Publications] 中村孝幸: 土木学会海洋開発論文集. 4. 159-164 (1988)
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[Publications] 中村孝幸: 土木学会海洋開発論文集. 4. 165-170 (1988)
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[Publications] 中村孝幸: 土木学会海岸工学講演会論文集. 35. 527-531 (1988)
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[Publications] 中村孝幸: 土木学会海岸工学講演会論文集. 35. 547-551 (1988)
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[Publications] 中村孝幸: 土木学会海岸工学講演会論文集. 35. 607-611 (1988)
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[Publications] 中村孝幸: 土木学会海岸工学講演会論文集. 35. 712-716 (1988)