1988 Fiscal Year Annual Research Report
一般化交通均衡問題の定式化とその計算法に関する研究
Project/Area Number |
63550387
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
宮城 俊彦 岐阜大学, 工学部, 助教授 (20092968)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森杉 寿芳 岐阜大学, 工学部, 教授 (80026161)
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Keywords | 一般化交通均衡問題 / 空間価格均衡モデル / 変分不等式問題 / 便益の帰着分析 / 相補性問題 / 空間的独占 / か占 / クールノ均衡 / ナッシュ均衡 |
Research Abstract |
1.研究の目的と特色 (1)従来の交通需要推計法では先験的に起終点間の交通需要関数が存在することを仮定していた。しかし、交通需要は空間的に分離された市場における財の需給均衡によって誘発される誘発需要である。したがって、交通需要の本質を把握するには、各市場における財の需要関数、供給関数を定式化するとこからスタートする必要がある。このとき、交通均衡モデルは空間価格均衡問題として定式化できる。 (2)財の輸送側(荷主)に対し、財を輸送する側(輸送業者)が存在し、互いに自己の利益を最大化するように行動している。従来の交通モデルでは、輸送サービスに対する需要側の定式化のみを行なっており、供給側については無視してきた。本研究では、輸送業者の支配するネットワークと荷主の仮想ネットワークを導入し、両者の競合状態が考慮できるモデルを構築している。 (3)輸送に係わる各種主体を明確に定式化することにより、交通投資に伴う便益の波及効果、費用の分担を明確にする費用、便益分析法を確立することも本研究の目的の1つである。 2.成果と問題点 (1)成果 一般化交通均衡問題は変分不等式問題としてし定式化でき、交通の発生から配分までを統一的に説明できる。また、空間的な財の独占、か占、完全競争の各状態を表現できる意味で従来のモデルの一般化を与える。 (2)問題点 変分不等式問題を解くのに時間がかるため、大規模ネットワークへの適用に際してはこれまでのモデルよりも費用がかかること、U字型費用曲線の場合に解が一意的に求められない、などの問題点がある。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 宮城俊彦,鈴木義康: 土木学会中部支部研究発表講演集. 416-417 (1989)
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[Publications] T.Miyagi: the 1989 World Conference on Transport Research.
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[Publications] T.Miyagi: Pan-Pacific Regional Science Conference.